株式会社Hacobuが発表した新サービス「MOVO AI Lab」は、物流分野におけるAI活用を促進し、業界の課題解決を目指す取り組みです。特に、物流現場でのデータ分析を容易にし、エッセンシャルワーカーを支援することを目的としています。この実験的な試みは、データの力を利用してトラック予約受付サービス「MOVO Berth」に蓄積された情報を基に、一層効率的な業務を実現するために設計されています。
MOVO AI Lab 始動の背景
物流業界は深刻な人手不足や変動する需要に直面しており、様々な課題に対応する必要性が高まっています。株式会社Hacobuは、「Data-Driven Logistics®」という理念のもと、物流拠点での一次データを活用した新しい解決策を模索しています。最近の生成AI技術の進化により、ただ単にデータを可視化するだけでなく、自然言語に基づいたコミュニケーションを通じて、物流現場の問題点を把握し、改善策を提案するAIエージェントを開発しました。
これを実現する場として、MOVO AI Labが誕生しました。このプラットフォームでは、物流業務にかかわるすべての人々、特に現場の作業者にもAIの恩恵を届ける「AIの民主化」を目指しています。
データ分析エージェント for MOVO Berthの概要
MOVO Berthは国内シェアNo.1のトラック予約受付サービスで、物流センターや工場の荷待ちを解消するためにオンラインで入場予約・入退場受付を行っています。この一元化によって、拠点の混雑が軽減され、作業の効率が向上します。
今回新たに提供される「データ分析エージェント for MOVO Berth」は、このサービスに蓄積された予約や入退場、滞在に関するデータを活用し、以下の機能を実現しています。
- - 主要KPIの即時可視化: 荷待ち時間や荷役時間などの重要な指標を、自動的に収集・グラフ化します。
- - 課題の抽出: 曜日や時間帯、車両の種類によってデータを解析し、異常や傾向を明示することで、問題を特定します。
- - 施策候補の提案: どの施策から取り組むべきかをAIが示唆し、改善の方向性を提案します。
- - 報告書の自動生成: 分析結果や提案された施策をもとに、関係者への報告資料を作成します。
これらの機能は非常に便利であり、特にデータ分析に不慣れな現場担当者でも利用できるように設計されています。
ベータ版としての位置づけ
このデータ分析エージェントは、ベータ版として公開され、実際の利用シーンからのフィードバックを基に、さらなる改善・機能拡張が行われる予定です。利用企業のデータはしっかりと保護され、プライバシーを配慮した形で運用されます。
取締役のコメント
Hacobuの取締役執行役員COO、坂田優氏は、「物流現場では、多くの場合、ただデータを見ても具体的なアクションを決定するのが難しい状況があります。そこで新しいデータ分析エージェントが、一次データを基に迅速な意思決定を可能にすることを期待しています」と語っています。彼はまた、「“行動につながるAI”を目指し、物流とAIによる新たな働き方を共に創造していきたい」とも述べました。
今後の展望
株式会社Hacobuは、MOVO AI Labを通じてAI活用をさらに推進していく方針です。今後はMOVO Berthだけでなく、他のサービスでもデータに基づく意思決定ができる環境を整備し、業務の効率化も目指します。Data-Driven Logistics®を掲げ、物流における新たな展開を進めてまいります。
会社概要
株式会社Hacobuでは、「MOVO」シリーズのクラウド物流管理ソリューションを含む様々なサービスを展開しています。特に、5年連続でシェアNo.1を誇るトラック予約受付サービス「MOVO Berth」をはじめ、配送管理やAIを活用した物流サービスを提供しており、物流業界のデジタルトランスフォーメーションをリードしています。