メタノール二元燃料船「第七甲山丸」の竣工
2023年5月30日、株式会社商船三井が三菱ガス化学株式会社向けに新造したメタノール二元燃料輸送船「第七甲山丸」が現代尾浦造船にて無事に竣工しました。この船は、日本の荷主としては初めてメタノールを燃料とした外航船であり、長期の貸し出しには三菱ガス化学が利用します。
メタノール二元燃料船の意義
「第七甲山丸」は、商船三井が培ったメタノール海上輸送の技術を基に、環境に優しい再生可能資源由来のメタノールを使用. これは、持続可能な海上輸送の実現に向けた重要な一歩です。商船三井とは1983年に日本初のメタノール専用船「甲山丸」を運用開始してからの長い関係があり、効率的で安全なメタノール海上輸送のノウハウを持つことは大きな強みです。
命名式とその重要性
「第七甲山丸」の竣工にあたって行われた命名式には、三菱ガス化学の藤井代表取締役会長をはじめ多くの関係者が出席しました。このセレモニーは、船の安全と成功を祈願する重要な儀式として行われました。
環境ビジョンと持続可能な運航
商船三井は「商船三井グループ環境ビジョン2.2」を掲げ、2050年までにネットゼロ・エミッションの実現を目指しています。その実現に向けて、クリーン代替燃料の導入を進めており、2030年までにはLNGおよびメタノール燃料を使用する船舶を90隻投入する目標を設定しています。また、商船三井はすでに世界最大級のメタノール専用船19隻を保有し、メタノール二元燃料船においても計8隻を整備済みです。この成果は、商船三井の高い技術力と環境への配慮を象徴しています。
知識と実績
第七甲山丸は、47,960トンの載貨重量トン数を誇り、HYUNDAI-MAN B&W 6G50ME-C9.6-LGIM-EGRBPを主機関として搭載しています。その設計と建造は、最新の技術を取り入れ、多様な海上輸送ニーズに対応するもので、商船三井と三菱ガス化学が新たな時代の船舶燃料を切り拓くことを期待されています。
まとめ
このように「第七甲山丸」の竣工は、商船三井と三菱ガス化学が共に持続可能な未来に向けた道を切り拓いていく重要な出来事です。メタノール二元燃料の導入は、海上輸送のあり方を変え、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを加速させていくでしょう。