2025年6月の為替相場解析
2025年6月の Forex(外国為替)市場は、さまざまな要因が絡み合い、個人投資家にとって特に難局と感じられた時期でした。株式会社外為どっとコムの調査によると、個人投資家の実現益が二ヶ月連続で増加した一方、全体の取引金額は減少しました。これは、相場の変動が激しい中で、個人の投資戦略が変わりつつあることを示しています。
1. 一般社団法人金融先物取引業協会のデータ
12月に発表された金融先物取引業協会の統計によると、2025年6月の店頭FXの取引金額は1078兆円となり、5月の1338兆円から19.5%の減少を記録しました。特に、USD/JPY(米ドル/円)やAUD/JPY(豪ドル/円)での取引が約21%、24%それぞれ減少しました。これに対して、EUR/JPY(ユーロ/円)は7%の増加を示し、特異な動きを見せています。
全体としては、円の買い越しが20%、米ドルの買い越しが40%増加しており、高い期待を持つ個人投資家が多かったことも、今回のデータから読み取れます。
2. 株式会社外為どっとコムの調査実績
外為どっとコムの報告によれば、取引口座数は87万件を突破し、個人投資家の動向に深く迫る研究が行われました。具体的には、約59万口座を対象に新規口座開設やFX取引を行った顧客のデータを分析しました。
2-1. 実現損益の状況
6月において、実現益を上げた投資家の割合は60%と、4月からの上昇幅を示しました。この時期、政治や経済の不安要素も多く、投資家は逆張り戦略を取ることが多かったことが結果に影響を及ぼしました。
2-2. 通貨ペア別の取引活動
トップ10の通貨ペア中でも、USD/JPYが依然として高いシェアを保持し、次いでTRY/JPY(トルコリラ/円)やAUD/JPY(豪ドル/円)が続きました。しかし、MXN/JPY(メキシコペソ/円)の取引は、同国の中央銀行による利下げの懸念から減少しました。
2-3. 平均取引数量
個人投資家の1注文あたりの平均取引数量は4.3万通貨(約43ロット)でわずかに増加。しかし、依然として不安定な相場環境が続いており、取引数量は低迷のままです。
2-4. 投資家の年齢分布
今回の調査では、50代が最も多く31.5%を占め、続いて40代が29.8%、60代が14.6%という結果が出ました。中高年層が中心となり、取引市場を支えている状況が続いています。
2-5. 新規口座開設者の動向
新規口座開設者の年齢構成も注目に值し、40代が26.6%で最も多く、30代と50代も続いています。これにより、今後もこの世代の投資活動が活発になることが予測されます。
3. まとめ
6月のため、為替相場では明確な方向感が見えず、個人投資家は慎重な姿勢を崩さずながらも、逆張りに挑戦し実現益を得るなど二極化した取引を行いました。この環境下で市場に身を投じる難しさがアピールされており、個人投資家の行動パターンも変化の兆しを見せています。
今後も市場の動向に注目しつつ、投資戦略の柔軟性を持って臨むことが重要です。
この分析を通じて、外為どっとコム総研は今後も投資家に有用な情報を提供し続ける所存です。