最近、2025年版の日本人の食事摂取基準が改定され、食物繊維の重要性が再確認されました。具体的には、健康を維持するために1日25g以上の食物繊維の摂取が推奨されていますが、実際にこの基準を知っている人は僅か12.1%という衝撃の結果が、AuB株式会社とプレミアムウォーターが行った調査で明らかになりました。この調査では、4077人を対象に食物繊維の摂取状況や意識を探りました。
日本人はほとんどが日常生活で食物繊維が不足していると感じており、実際に73.7%が「足りていない」との回答を寄せています。その背景には、忙しい毎日からくる栄養の偏りや、簡単に摂取できる食材の選択肢が限られていることがあるようです。また、約40%は便秘に悩んでいるという結果も出ました。
便秘は深刻な健康問題を引き起こす可能性があり、例えば大腸癌や痔といった病気のリスクが高まることも知られています。このため、食物繊維を意識して摂取することが今後ますます重要になります。特に、腸の健康を良好に保つためには、普段の食事に食物繊維が豊富な食材を積極的に取り入れることが有効です。
多くの人々が食物繊維の摂取を意識する理由として最多を占めたのが「腸の調子を整えたいから」であり、76.9%の人がこの理由を挙げました。また、生活習慣病予防が52.5%、ダイエットのためが46.7%となっており、健康を維持するための意識が高まっている様子が伺えます。
厚生労働省が提唱する摂取基準に基づけば、健康を守るためには、毎日少なくとも25gの食物繊維を摂取することが求められています。しかし、現役の成人(18歳以上)の食物繊維摂取量は約13.3gであり、目標の半分以下という現実があります。
食物繊維を効果的に摂取するためには、意識的に野菜や果物、海藻、豆類を取り入れることが推奨されています。毎食副菜を設けること、果物を一つ選ぶこと、そして水分補給を忘れないことが、目標摂取量に近づくためのポイントです。
特に、食物繊維は不溶性と水溶性の2種類に分類され、どちらも腸内環境を整えるのに役立ちます。不溶性食物繊維は腸で膨らみ、スムーズな排便を促進します。一方、水溶性食物繊維は便を柔らかくし、排便を助けます。さらに、十分な水分をカラダに取り入れることで、便秘を防ぐ効果も期待されます。
私たちが注意すべきは、単に食物繊維を摂取するだけでなく、同時に適切な水分も取ることです。日常生活で水を十分に取ることを心がける必要があります。
この調査結果を受けて、資生堂の公認スポーツ栄養士である清水瑠美氏からは、食物繊維の種類を増やし、毎日簡単に摂取する方法を伝授しました。具体的には、忙しい日々の中で手軽にできる工夫を考え、色とりどりの食材を取り入れる楽しさを広めていくことが重要です。また、発酵食品や乳酸菌食品を日常的に摂取することも腸活に効果があります。
最終的には、食物繊維と水分を意識しながら、腸内環境を整える生活習慣を築くことが、健康的なライフスタイルを支える鍵になることでしょう。