東村山市が持続可能な社会に向けた協定を締結
2025年2月10日、東京都東村山市は日揮ホールディングス株式会社、株式会社レボインターナショナル、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYと共に、廃食用油の資源化を促進するための協定を締結しました。この協定は、使用済みの食用油から持続可能な航空燃料(SAF)を製造し、脱炭素社会の実現を目指す取り組みの一環として位置付けられています。
協定締結の背景
これまで東村山市では、廃食用油を可燃ごみとして焼却処理してきました。しかし、2024年より開始する「Fry to Fly Project」に参加し、使用済み食用油からのSAF製造に向けたプロジェクトが動き出したことから、協定締結に至りました。プロジェクトの初開催として、エコライフフェアで140リットルの廃食用油が集まるなど、地域の協力が得られています。市は、資源化の重要性を認識し、市民と共に持続可能な社会を目指します。
協定の主な内容
協定には、以下のような内容が含まれています。
1. 家庭系廃食用油の回収に関する取組み
2. 廃食用油を利用したSAFなどの製造
3. 資源化のPR活動や情報共有
4. その他、協定の趣旨を実現するために必要な事項
具体的な取り組み
この協定に基づき、東村山市内には3つの廃食用油回収拠点が設置され、2025年2月17日から回収が開始されます。回収された油は、SAFFAIRE SKY ENERGYのプラントに運ばれ、国産SAFの原料として利用されます。市は市民や地域の企業への周知活動を進め、協力を呼びかけます。
温室効果ガス削減への寄与
この取り組みは市民が身近に脱炭素に寄与できる機会を提供します。2050年までのゼロカーボンシティ実現に向けて、多くの市民の知恵を集めていくことが求められています。廃食用油の回収は、資源循環型社会の構築に向けて重要な役割を果たします。
SAF(持続可能な航空燃料)について
SAFは、廃食用油やバイオマスを原料にした持続可能な燃料で、航空機の運航にそのまま利用でき、製造から使用までの過程でCO2削減効果が期待されます。具体的には、ライフサイクル全体で約60~80%の削減効果が見込まれています。
中長期的な事業計画
日揮ホールディングスとレボインターナショナルは、新会社SAFFAIRE SKY ENERGYを設立し、国内の廃食用油からSAFを年間約3万キロリットル供給する計画を打ち出しました。また、この事業はNEDOの助成も受けており、将来的なエネルギー供給の持続可能性を追求しています。
東村山市のこの取り組みは、地域の持続可能性を高めるものとして、今後の展開が期待されます。市民が協力し合うことで、よりよい未来を築いていくことができるでしょう。