慶應義塾大学の手話サークルがAI技術で実現したリアルタイム字幕
慶應義塾大学で開催された第67回三田祭において、聴覚障害者とその家族への情報保障を目的に、手話サークルMiMiがAI音声認識アプリ「ScribeAssist」を利用しました。この取り組みは、近年ますます重要視されているバリアフリーイベントの一環として注目を集めています。
ScribeAssistの機能とは?
「ScribeAssist」は、株式会社アドバンスト・メディアが開発した、国内でシェア No.1 のAI音声認識技術「AmiVoice」を搭載した文字起こし支援アプリです。このアプリは、音声内容をリアルタイムでテキストに変換し、スクリーンに表示する機能を持ち、会場の聴覚障害者が公演を視覚的に理解できるようサポートします。
具体的には、手話コーラスの解説とともに字幕が表示され、聴覚に障害のある方や音声の聞き取りが難しい方も、その内容を把握することが可能です。イベントの最中、発話内容が速やかにスクリーンに映し出されることで、参加者全員が公演に参加できる環境が整いました。
ウェアラブルマイクとの連携
今回のイベントで更に効果を上げたのは、株式会社オカムラから提供されたウェアラブルマイク「TALKHUBⅡ」です。このマイクは、周囲のノイズを抑える性能があり、正確な音声認識を保証します。イベント会場という特性上、雑音が多い環境でも「ScribeAssist」は高精度に字幕を表示し、聴覚障害のある来場者への配慮がなされました。これにより、参加者は手話の意味や動きについても理解しやすくなりました。
来場者の反応
公演後、来場者からは「聴覚に障害のある家族と一緒に参加できたことが嬉しかった」との声が多数寄せられ、手話サークルの取り組みに感謝が寄せられました。このようなAI技術の活用によって、誰もが情報を得やすい環境を提供できることの重要性が再認識されました。
さらなる情報の発信
この取り組みの実証レポートは「VoXT One コラム」にて公開されています。導入前の課題や来場者からの評価、改善効果などがまとめられており、今後のイベントでの情報保障に向けたヒントも得られます。さらに詳細な情報は以下のリンクから閲覧できます。
VoXT One コラム - 慶應義塾大学三田祭で挑戦!情報保障を支えるリアルタイム字幕 実証レポート
まとめ
「ScribeAssist」は、リアルタイム文字起こしを通じて、聴覚障害者に対するアクセスを向上させる新たな可能性を示しています。このような技術が広く普及することで、より多くのイベントがバリアフリーとなり、誰もが参加しやすい社会が実現していくことが期待されます。慶應義塾大学の手話サークルの取り組みは、その先駆けとして重要な意義を持っています。