TIS株式会社が全社的に進める生成AI活用プロジェクト
TIS株式会社は、生成AIの活用を前提とした「AI中心開発」プロジェクトを発足し、システム開発プロセスを抜本的に再設計することを発表しました。その目的は、2029年度までに開発生産性を50%向上することで、業界をリードする企業としての地位を確固たるものにすることです。
プロジェクトの背景
近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)やクラウドの需要が高まり、企業は独自の業務プロセス改革や新サービス提供に向けたソフトウェア開発に積極的に投資しています。この流れのなかで、TISは生成AIを活用することでシステム開発の生産性向上を目指し、さらなる市場拡大に寄与することが期待されています。特に、TISは自社の強みである大規模開発現場で生成AIの効果を実証済みで、今後のさらなる活用計画を明確に持っています。
プロジェクトの概要
本プロジェクトでは、要件定義からテストに至るまでの全工程で生成AIの活用を行い、開発者が自身の専門性を発揮できるような環境を整えます。具体的には、以下の三つの柱に基づいて推進されます。
1. 開発プロセスの刷新
TISは、システム開発の全工程に生成AIを取り入れ、それに基づいた新たな開発プロセスの最適化を目指します。このアプローチにより、生成AIのポテンシャルを最大限に生かすことが可能になります。
2. 人・組織・文化の変革
生成AIを積極的に利用できる人材の育成や、AIを利用する文化を醸成し、組織全体の業務改革を進めます。これにより、中長期的には多能工化を促進し、AIと共に付加価値を生むことができるチームを形成します。
3. リスク管理
生成AIを安全にかつ責任を持って活用するために、情報セキュリティや知的財産、倫理の観点からリスクマネジメント体制を整備します。これにより、クライアントや市場への価値提供につなげていく所存です。
今後の展望
本プロジェクトは、2025年10月以降には社内でのパイロットプロジェクトに適用を徐々に進める予定です。その後、複数のプロジェクトでの試行を経て、2026年度末までに新しい開発基盤とプロセスの確立を図ります。また、次期中期経営計画においてTISインテックグループ全体への展開も計画されています。
TIS代表取締役社長のコメント
「生成AIは私たちの働き方を根本から変えるものです。TISを中心に新しいシステム開発のスタンダードを確立し、生成AIのエッセンスを各プロセスに活かしていくことで、グループ全体でIT人材の価値を最大化し、社会の変革を支えていく所存です。」と岡本社長は意気込みを語ります。
TIS株式会社の今後の動向にぜひご注目ください。