三菱重工がUKでのCO2回収プラント構築を受注
三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)は、英国初のセメント工場向けCO2回収プラントを受注したことを発表しました。これは、世界的なセメントメーカーであるハイデルベルク・マテリアルズ社と共同で進めるプロジェクトで、ウォーリー社と連携して実施されます。
プロジェクト詳細
このプラントは、ウェールズのフリントシャー州に位置するハイデルベルク・マテリアルズ社のペイズウッドセメント工場に建設され、2029年に運転を開始する予定です。三菱重工の独自技術「Advanced KM CDR ProcessTM」を用いることで、年間80万トンものCO2を効果的に回収することが見込まれています。回収されたCO2は、英国政府が推進するCCUSクラスターの一部として、リバプール沖の枯渇ガス田に貯留されます。
これにより、英国のセメント業界は、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)技術を初めて導入することになります。CO2の回収に携わるこのプランは、環境保護のための重要な一歩であり、持続可能な産業を目指す英国の努力に大きく貢献することが期待されています。
協力企業の役割
三菱重工とウォーリー社は、2024年からこのCO2回収プラントの基本設計を手掛けることになっています。EPC段階では、三菱重工が主要機器およびコンプレッサーを含む付帯設備の設計と調達を担当し、ウォーリー社が周辺機器の設計管理及びプラントの建設全体を監督します。これにより、3社の円滑な連携が確立されることが期待されています。
産業への影響
セメント生産は世界でのCO2排出量の約7〜8%を占めており、その大多数は焼成工程で発生します。従来の電力供給に切り替えても、この排出は完全には回収できません。このため、CCS技術の導入は、セメント生産プロセスの脱炭素化において重要な役割を果たすとされています。プロジェクトは、雇用の維持と新たな雇用創出にも寄与する見込みです。
長安立人氏(三菱重工のCCUS担当)は、「このプロジェクトがセメント部門の脱炭素化をリードすることを期待しています」とコメントしています。ハイデルベルク・マテリアルズ社のCEO、サイモン・ウィリス氏は「三菱重工との協力に期待しており、業界における大きなマイルストーンになる」と述べています。
さらに、ウォーリー社のクリス・アシュトンCEOは「このプロジェクトが持続可能な産業ソリューションの実現に寄与することを誇りに思っています」と強調しました。これにより、三菱重工は温室効果ガス排出削減に向けた新たなソリューションの開発に取り組む姿勢を見せています。
ハイデルベルク・マテリアルズ社について
同社は、世界最大の総合建築材料メーカーであり、50カ国以上に拠点を持ち、約5万1,000人のスタッフを管理しています。英国では、コンクリートやセメントなど多岐にわたる事業を展開しています。
ウォーリー社について
ウォーリー社は、エネルギーと化学分野に特化した大手グローバルサービス企業であり、持続可能なエネルギー源へと移行する中で、多様な資源の供給を支援しています。
今後の展望
三菱重工は、これからも独自の技術を活かし、CO2回収技術の進展に貢献しながら、温室効果ガスの削減に向けた取り組みを進めていきます。カーボンニュートラル社会の実現に向けて、今後の展開に期待が寄せられています。