置き薬をアフリカに広めるにあたる夢と挑戦
近年、世界中で健康や福祉に関する課題が浮き彫りになっています。その中で、日本から誕生した置き薬のシステムが、新たな可能性を秘めてアフリカ各地で実践されつつあります。この取り組みを進めるのは、認定NPO法人AfriMedicoです。彼らは、江戸時代から受け継がれてきた家族の健康を守る仕組みを活用し、アフリカ各国での普及を目指しています。
夢を発信するApril Dream
AfriMedicoが掲げる「医療を通じてアフリカと日本を繋ぎ、健康と笑顔を届ける」というビジョンは、4月1日に企業が夢を発信するプロジェクト「April Dream」にも賛同しています。この日をきっかけに、AfriMedicoの活動が広がることを願っています。
地域のニーズに応えた挑戦
AfriMedicoの代表である町井氏は、青年海外協力隊員としてニジェールで活動していた際、一人のお母さんの切実な言葉に衝撃を受けました。「子供が高熱で死ぬかもしれない。病院に行くために200円ちょうだい」。お金を渡すことでその子の命を助けられるかもしれない。しかし、助けが必要な子どもたちは他にもたくさんいます。そこで、町井氏は社会システムを変え、持続可能に人々を救う方法を考えるようになりました。これが、日本で長年親しまれてきた置き薬のシステムです。
現代版Okigusuriの誕生
江戸時代の状況を考えると、大家族での生活や収入の偏りが現代のアフリカの農村部に共通しています。病院に行くまでの時間やコスト、薬剤の入手難易度など、現地の人々が抱える課題に着目したAfriMedicoは、タンザニアでの活動をスタートしました。アプリを使った支払いや医薬品管理のシステムを導入し、現代的な姿に生まれ変わったOkigusuriの普及を進めています。
具合が悪い時の笑顔の源
タンザニアのある小学校で、子どもたちに「具合が悪いときに自分を笑顔にしてくれるもの」をテーマに絵を描いてもらいました。子どもたちは「好きなマンゴー」や「熱々のチャイ」など、各々が思い描く幸せな瞬間を色鮮やかに表現しました。その中の一人の男の子が、置き薬の絵を描いているのを見て、心が温かくなりました。「これはOkigusuri boxだよ」と自信満々に教えてくれました。家庭に置き薬があることで、彼自身が病気の時に助けを受けていることを実感しているのです。
家族にOkigusuriを届けよう
この絵を通じて、子どもたちがOkigusuriの必要性を理解し、自分の家にも導入してほしいと伝える姿がとても印象的でした。AfriMedicoのメンバーも、定期的に村に薬を補充するために訪れることに喜びを感じていると語っています。こうした体験を重ねることで、Okigusuriが地域に根付いていくのです。
Okigusuriを世界共通語に向けて
今や、AfriMedicoの取り組みが行われる地域では、家庭やオフィスでのOkigusuriの利用が知られてきています。夜中や休日でも、医療機関まで行くのが難しい状況でも、家族の健康を守るための手段としてOkigusuriが広まることを目指し、彼らは活動を続けています。「April Dream」を通じて、この夢の実現に向けて本気で取り組むという姿勢が、全世界に広がっていくことを願っています。