八丈島の新たな挑戦: スタートアップ製品の導入
東京都は新しい公共調達手法「ファーストカスタマー・アライアンス」により、八丈町でスタートアップ製品の導入を実現しました。この取り組みは、公共調達の仕組みを活用し、全国の自治体と連携してスタートアップ企業の製品やサービスを促進するものです。
1. ファーストカスタマー・アライアンスとは
「ファーストカスタマー・アライアンス」(以下、アライアンス)は、地域や住民が抱える課題を解決するために、スタートアップ企業の新しい製品やサービスを公共機関が利用することを目的としています。このアライアンスの特徴は、入札を行わずに製品等を調達できる「政策目的随意契約制度」の導入にあります。
これにより、各自治体は必要な製品をスムーズに導入できるだけでなく、スタートアップ企業にも新たな市場を提供することが可能になります。東京都、文京区、大田区などの自治体が参加しており、多様な地域のニーズに応える取り組みが行われています。
2. 八丈島の新しいオンライン医療サービス
八丈町がこの事業に初めて参加したことで、スタートアップ株式会社Kids Publicの「デバイスを用いた小児科オンライン診療」が導入されました。このサービスは、地域での小児科医不足に対応するもので、看護師と専用デバイスを活用して遠隔地の小児科医が診察を行うものです。
このオンライン診療の特徴は、従来のスマートフォンだけを使用した方法では得られなかった医師が必要とする身体所見を正確に取得できる点です。呼吸音や咽頭所見、鼓膜所見などを遠隔で評価し、迅速な検査も実施できるため、対面診療に近い質の高い医療サービスが提供されます。八丈町にとって、住民へ向けた重要な医療サービスの一環として期待されています。
3. 今後の展望
デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社は、今回の取り組みを通じて、自治体間の連携を促進し、スタートアップ企業の魅力的な製品情報を発信していきます。全国各地にこの「ファーストカスタマー」の輪を拡げ、スタートアップ企業の成長を後押しする考えです。
今後は、参画自治体が認定したスタートアップ製品を取りまとめ、必要に応じて随意契約の手続きを省略して調達できる環境を整えることにより、より迅速で効率的な公共調達が実現します。
参画希望の自治体へ
この取り組みは参加自治体を随時募集しています。詳細については、デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社のWEBサイトで確認できます。スタートアップの力を活用した地域の課題解決に向けて、まずは一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。ぜひ、この新しいモデルを参考に、地域に適した公共調達の促進を進めていきましょう。