タグ・ホイヤーが贈る革新技術「TH-カーボンスプリング」
2025年9月4日、スイスのジュネーブで行われたGeneva Watch Daysにおいて、タグ・ホイヤーは新しいヒゲゼンマイ技術、「TH-カーボンスプリング」を発表しました。160年以上の歴史を誇るこの高級時計ブランドは、時計製造の新しいパラダイムを示す革新的なテクノロジーに注力し、その核心である「TH-カーボンスプリング」を通じて、未来の高精度機械式時計の可能性を切り拓きます。
この技術は、約10年にわたる徹底的な研究と開発の成果として実現。それは、タグ・ホイヤーの技術者やエンジニアたちの粘り強い努力の結晶であり、彼らが数々の挑戦を乗り越え、遂に確立した革新です。タグ・ホイヤーは、今年の「Designed to Win(勝利のために)」というブランドキャンペーンにおいて、その使命感を示しました。
時計製造の歴史を変える
現代の機械式時計の基礎は約500年前に始まり、当時の科学者クリスティアーン・ホイヘンスが作り出したテンプとヒゲゼンマイがその幕を開けました。ヒゲゼンマイの登場以来、時計製造は飛躍的に進化しましたが、その一方で磁気や温度変化による脆弱性が課題となっていました。20世紀に入ってから、シリコン製のヒゲゼンマイが普及し、これにより機械式時計の性能が向上しました。
しかし、タグ・ホイヤーは止まることなく、シリコンの次なる材料として「TH-カーボンスプリング」を開発しました。この技術は、機械式時計に新たな基準をもたらし、計時精度の向上を目指します。
10年の努力が実を結ぶ
約10年前から始まった「TH-カーボンスプリング」の開発は、数々の試行錯誤を経て、ようやくプロトタイプが完成しました。多くの挫折や苦悩があったものの、タグ・ホイヤーの技術者たちは自らの失敗を糧に、目標の達成へと導く情熱を持ち続けました。その中で、重要なポイントを洗い出し、最終的に「TH-カーボンスプリング」が量産可能であることが証明されました。
この技術は、タグ・ホイヤーの5年保証基準をクリアし、製造される全ての時計に組み込むことができます。また、特許として申請された技術もあり、さらなるイノベーションに向けた基盤となっています。
TH-カーボンスプリングの特性
「TH-カーボンスプリング」は3つの大きなメリットをもたらします。まず1つ目は、その“非磁性”です。現代社会では磁気の影響は避けがたく、この特性は時計の精度を高める要因となります。
2つ目は、TH-カーボンスプリングの優れた耐衝撃性です。日常のちょっとした動きで時計が乱れることがある中、このテクノロジーはその衝撃を低減します。最後に、カーボンの軽さは慣性を減少させ、より安定した計時性能を実現します。
新モデルの登場
タグ・ホイヤーがこの新技術を初めて搭載したモデルには、「タグ・ホイヤー モナコ フライバック クロノグラフ TH-カーボンスプリング」と「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ トゥールビヨン エクストリームスポーツ TH-カーボンスプリング」があります。どちらも50本限定のリミテッドエディションであり、特製パッケージが付属しています。
両モデルは、ブランドが長年にわたって取り組んできた革新的な素材、カーボンファイバーを使用し、その耐性と軽さを活かしたデザインとなっています。さらに、カーボンを使った独特のダイヤルデザインは、視覚的にも印象的です。
結論
タグ・ホイヤーの「TH-カーボンスプリング」は、時計製造史に新たなマイルストーンを刻む技術とも言えます。その開発背景には、長年の努力と高い志があったことが際立ちます。これからも、タグ・ホイヤーはそのアヴァンギャルドな精神を持って、新たな挑戦に挑み続けるでしょう。未来の時計への道を切り拓く「TH-カーボンスプリング」は、まさにその象徴です。