味の素株式会社(社長:中村 茂雄)の本社がある東京都中央区で、2024年2月18日に開催された表彰式にて、味の素は鹿児島県と協力して、消費者庁が主催する「令和6年度消費者志向経営優良事例表彰」において消費者庁長官表彰を受けました。この受賞は、消費者志向経営への優れた取り組みが評価された結果です。
消費者庁は2018年度から開始したこの表彰制度を通じて、企業や団体の消費者志向の向上を目指しています。受賞の背景には、味の素が鹿児島県と連携して行った温室効果ガス削減策や、地域経済の振興を目的とした有意義な取り組みがあります。特に、企業と自治体の協働による受賞は、この案件が初めてのことです。
具体的な受賞理由には、牛のげっぷや排泄物から発生する温室効果ガスの問題を解決するための取り組みが挙げられています。全世界の温室効果ガスの約10%は、実は牛の生産活動に由来しています。味の素は、アミノ酸製造技術を活用して開発した「リジン」という必須アミノ酸の製剤を飼料に配合する取り組みを進めています。このリジンが牛の腸に届くことで、効果的に吸収され、必要な飼料量が減少します。その結果、牛のげっぷや排泄物の量も減ることから、温室効果ガスの排出を抑えることができ、畜産業の収益向上へと繋がります。これにより、さらに地元の畜産事業者が新たな収入源を確保できるビジネスモデルも構築されています。
温室効果ガス排出削減の手法は、J-クレジット制度に登録されており、これに基づくカーボンクレジットの発行が事業者にとってのインセンティブとなります。このように、環境負荷軽減と産業振興を両立させる取り組みが高く評価されたことが、今回の受賞に繋がったわけです。
受賞式では、味の素の執行役常務である森島氏が、鹿児島県における肉用牛、乳用牛飼養における温室効果ガス排出の削減について具体的に説明しました。味の素は今後も、アミノサイエンスの知見を基に、持続可能な社会の実現に向けたさらなる取り組みを強化していき、人々や社会、さらには地球環境のWell-beingへと貢献することを目指しています。
味の素グループは、”Eat Well, Live Well.”をコーポレートスローガンに掲げ、2023年度の売上高が1兆4,392億円を超えるなど、34の国・地域に展開し、130以上の国に商品を提供するグローバル企業としての役割を果たしています。この度の表彰を契機に、さらなる成長を目指す彼らの今後の活動に注目が集まります。