オーデマ ピゲ、歴史的タイムピース「グロス ピエス」の取得を発表
スイスの著名ブランド、オーデマ ピゲが、同社の歴史において特に重要な時計の一つである「S. Smith & Son アストロノミカル ウォッチ」、愛称「グロス ピエス」を取得したことを公表しました。この懐中時計は、1914年に制作の依頼があり、1921年に完成しました。1990年代まで一般には姿を現さず、秘蔵されていたその特別な時計が、ブランド創業150周年を迎えたこのタイミングでル・ブラッシュに戻ってきたことは、オーデマ ピゲが時計製作の遺産を守り、オートオルロジュリーの芸術を称賛することを象徴しています。
唯一無二の複雑さを誇る「グロス ピエス」
この素晴らしい懐中時計は、18Kイエローゴールドのケースに収められており、オーデマ ピゲの作品の中でも最も包括的な天文時計のひとつです。特に、ロンドンの夜空を315個の星と共に描くこの時計は、恒星時、永久カレンダー、ムーンフェイズ、均時差を表示する機能を備えています。20世紀に製作されたオーデマ ピゲ唯一の超複雑懐中時計であり、ミニッツリピーター、グランド&プチソヌリ、クロノグラフに加えて、当時のAPの懐中時計では唯一のトゥールビヨンを装備しています。
「グロス ピエス」は、19種類もの複雑機構を搭載しており、1899年に製作された伝説的な「ユニヴェルセル」と並ぶ、オーデマ ピゲ史上最も複雑な懐中時計となっています。この時計は、ジュウ渓谷でのエタブリサージュシステムの生き証人であり、20世紀初頭に最も複雑なタイムピースを生み出した熟練の時計職人たちの物語を語っています。
受け継がれる時計製作の遺産
1921年にS. Smith & Sonに納品された後、「グロス ピエス」は長い間公に姿を見せず、アーカイブや貴重な写真にしか存在が知られませんでした。1915年に作成された文書には、恒星時や黄道十二宮など、時計製作の黄金期を築いたパイオニア精神が記録されています。
長年にわたり名高いOlmstedコレクションの中に保管されていたこの時計は、ごく限られた人々しか見ることができない状態にありましたが、オーデマ ピゲがこれをオークションで取得したことは、時計製作の遺産を継承していくというブランドの使命を再確認させるものです。
「グロス ピエス」は、今後数年間にわたりワールドツアーを経て、APハウスや各種イベントでの展示が予定されています。最終的には、ル・ブラッシュのミュゼ アトリエ オーデマ ピゲでの展示が行われる予定です。
オーデマ ピゲについて
オーデマ ピゲは、今なお創業者の一族、オーデマ家とピゲ家によって経営される、最古というにふさわしいウォッチブランドです。1875年以来、ル・ブラッシュを本拠地に、斬新なトレンドを生み出そうとする新たな技術や職人技の開発を続けてきました。スイスのジュラ山脈に抱かれたジュウ渓谷において、高度な職人技と革新的な精神が結集した数々のマスターピースを生み出してきました。オーデマ ピゲは常に新たな地平を目指し、そこからインスピレーションを受けたコミュニティを形成してきました。