スペクトラム社の新たな挑戦
ドイツ・グロースハンスドルフに本社を置くスペクトラム・インスツルメンテーション社は、そのフラグシップ製品である超高速任意波形発生器(AWG)63xxシリーズに新機能としてDirect Digital Synthesis(DDS)オプションを発表しました。この新しいオプションは、波形生成の幅を広げ、さまざまな応用に対応するための重要な機能を提供します。
DDSオプションの特長
新たに導入されたDDSオプションは、波形の純度や柔軟性を向上させることで、多岐にわたる産業や医療分野、さらに量子研究や半導体試験、通信分野においても活用が期待されます。63xxシリーズのAWGは、最大10 GS/sという高速な出力レートに加え、16ビットの分解能、最大3.9 GHzという広帯域幅を持ち、非常に精密な信号生成を可能にします。
DDSモードでは、1チャンネルあたり最大64個の独立した正弦波を生成することが可能であり、各正弦波は周波数、振幅、位相を3.2 nsecのステップで変化させることができます。この機能により、ユーザーは自由自在に波形を作成できるようになり、高度なニーズに応じた多彩な波形生成が実現されます。
DDSオプションの効率性
スペクトラム社のCTOであるOlivier Roviniは、DDSオプションの効率性が大きな利点であると述べており、波形データを大容量でストリーミングする代わりに、内蔵メモリにコンパクトなコマンドシーケンスを格納し、これにより信号特性を制御することができると説明しています。この方式によって、数百万のコマンドが最小3.2 nsecの高精度で実行されるため、ジッタやグリッチがない安定した動作が可能になるのです。
ハードウェアオプション
63xxシリーズは、2つの異なるハードウェア形式を提供しています。
1.
PCIeベースのM5i.63xxモデル:
これらのカード型AWGはPCに直接組み込むことができ、省スペース設計を実現。出力レートは3.2〜10 GS/sで、最大8枚のカードを同期接続し、16チャンネルまで同時使用が可能です。
2.
NETBOXシリーズ:
LXI準拠のスタンドアロン型機器であり、Ethernet接続が可能です。ベンチトップやラックマウントでの使用を想定し、最大384のDDSコアをプログラム可能です。
利便性とサポート
DDSオプションが追加されても、AWGの基本機能は損なわれることはありません。シングルショット、ループ、ゲート、ストリーミングといった高度な動作モードを全て利用できるため、ユーザーは実質的に1台で2つの計測器を手に入れたような利便性を享受できます。
さらに、スペクトラム社の製品にはWindowsおよびLinux向けのソフトウェアサポートや、Python、MATLAB、C++、LabVIEWなどのプログラミング言語に対応したサンプルコードも提供されています。ユーザーは高レベルなPython APIを通じて簡単に操作できます。
まとめ
63xxシリーズのDDSオプションは、現在入手可能で、エンジニアによる生涯技術サポートやソフトウェアの無償アップデートも提供されています。スペクトラム社は1989年の設立以来、モジュラー設計を駆使した高度なデジタイザや波形発生器を供給し続け、多くの一流企業や大学に支持されてきました。さらなる進化を遂げた63xxシリーズのDDSオプションが、今後の技術革新にどのような影響をもたらすのか、期待が高まります。
詳細は
こちらをご覧ください。