新たな車載IC
2025-09-18 10:11:13

ミネベアミツミが新車載用2DデュアルホールラッチICを発表

近年、自動車業界では電動化や自動運転技術の進化が進む中、多様なアプリケーションで用いられるモータが増加しています。そうした状況を受けて、ミネベアミツミグループのエイブリック株式会社が新たに発表した製品が注目を集めています。それが、車載用2DデュアルホールラッチIC「S-57W1/W2」です。

「S-57W1/W2」は、電気信号に変換する王道のICとして、機械的な回転運動を感知するデバイスです。特に、モータの動作を的確に捉えて、相対位置の変化をパルス信号として出力します。これにより、モータの回転数や回転速度、さらには方向まで把握できるため、インクリメンタルエンコーダの用途に最適です。

従来の技術では、磁束密度を1方向にしか感知できないICが2つ必要でしたが、「S-57W1/W2」の登場により、異なる2方向からの磁束密度を単一のICで感知可能になりました。これにより、設計の複雑性が大いに軽減されたのです。また、業界最高水準となる磁気感度0.8mT typ.を実現し、高精度な回転検出が行えます。

更に、本製品は極めてコンパクトなパッケージサイズを誇ります。「SOT-23-5」という標準パッケージの他に、業界最薄の小型パッケージHSNT-6(2025)も用意されています。これにより、設置スペースが限られた自動車部品への組み込みにも対応可能です。

自動車の重要な機能を担う電動開閉機構において、スムーズな動作や正確な位置決めは欠かせません。「S-57W1/W2」は、パワーウインドウやサンルーフ、パワースライドドア、パワーリフトゲートなど多岐にわたるアプリケーションで、このニーズを満たします。ここで求められるのは、モータの回転数や方向を高精度で把握する能力であり、「S-57W1/W2」は、その課題を容易に解決する製品といえるでしょう。

さらに、「S-57W1/W2」は高い感度を持ち、リング磁石の着磁数を増やしても、弱い磁束密度を捉えることができるため、より高い分解能での回転検出が行えます。この特性は、複雑な設計要件が求められる自動車業界において、特に重宝されることでしょう。

加えて、出力遅延時間は8.4μsと短く、高速回転するモータにも適応可能です。ハードウェアにおける厳しい条件にも柔軟に対応するこの製品は、開発者にとって非常に心強いパートナーとなることでしょう。

また、エイブリックでは、同じ特性を持つ民生用の2DデュアルホールラッチIC「S-5791/92」も同時に発売しました。これは、電動アシスト自転車や電動工具、ロボット掃除機など多様なモータアプリケーションにおいて利用できる点が特徴です。

環境への貢献度も高く、ミネベアミツミグループの「グリーンプロダクツ」に認定された優れた製品でもあります。そのため、自動車業界のみならず、幅広い分野での応用が期待されています。

詳しい製品情報は、エイブリックの公式サイトにてご覧になれます。自動車の高度な機能を支える新たな技術、「S-57W1/W2」が今後も業界でどのように活用されていくのか、興味深いところです。


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会社情報

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エイブリック株式会社
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