生活者の声を反映するサンプリングイベント「RSP Live」の魅力と展望
2023年12月、株式会社オールアバウトライフマーケティングが主催する「RSP(リアルサンプリングプロモーション) 99th 100th Live」が開催されました。このイベントは、消費者のリアルな声を商品開発に生かすことを目的とした、リアルとオンラインが融合した新しい形のサンプリングイベントです。今回は、ロッテの新商品「ザクザクやみつきCRUNKY」にスポットを当て、プロモーションがもたらす効果と今後の展望をお伺いしました。
RSPを活用した商品開発の魅力
井貝直人さん(ロッテ新商品開発部)は、2015年からのRSPの利用を通じて、如何にブランド認知を高め、消費者との接点を持つことができたのかを語ります。特に、テレビ広告が持つ情報量の限界を感じ、SNSユーザーとの横のつながりを重視した結果、RSPの利用を決定したとのことでした。このイベントの最大の魅力は、消費者のリアルな反応を直に知ることができる点です。参加者との対話を通じて、ダイレクトなモニタリングが行えるため、フィードバックをすぐに商品改良に生かすことが可能です。
コロナ禍から生まれた新たなニーズ
今回の新商品の開発背景には、コロナ禍におけるストレス解消のニーズがありました。特に、家庭での生活を重視する方々向けに、新しい体験を提供することを目指しました。井貝さんは「コロナ禍で特にストレスを感じている主婦層をターゲットにすることで、食べるという行為を通じてストレスを軽減できる商品に仕上げたい」と語ります。そのために重要視したのが、ザクザクとした食感と甘じょっぱい味付けです。
参加者の反応を捉えるハイブリッド開催
「RSP 100th Live」は、リアルとオンラインのハイブリッド方式で行われ、両者の良さを活かすことができました。井貝さんは、プレゼン中の参加者のリアクションが非常に重要であり、それが商品理解を深める助けとなると述べています。また、リアルタイムで参加者からのフィードバックが得られる点も魅力のひとつです。これにより、普段からSNSで意見を発信する習慣を持つ消費者との親密なつながりが生まれました。
商品開発に繋がる参加者の声
RSPを通じて集まった参加者の声は、今後の新商品開発への重要なインプットとして機能します。井貝さんは、「参加者からの自由回答が具体的な商品改良に結びついた経験がある」という点を強調しました。このような参加者の意見は、市場データだけでは把握できないリアルな感触として、ブランド戦略に欠かせない資源となっています。
未来に向けた展望
井貝さんは、今後の「ザクザクやみつきCRUNKY」に関して「じわじわと認知度を上げていくこと」を目指すと語りました。急激な導入戦略ではなく、持続可能な成長を重視しています。さらに、RSPを通じてのサンプリング活動にも力を入れていくと期待を寄せます。「消費者との密接な関係を築き、両者がともに利益を得られる関係を続けていきたい」と井貝さんは締めくくりました。
結論
サンプル百貨店が展開するRSPイベントは、企業にとって消費者の生の声を直接聞き、リアルな市場の反応を測る貴重な場です。また、消費者にとっても新商品を体験し、意見を発信することでその過程に参加できる機会を提供しています。このように、RSPは企業と生活者をつなぐ重要なイベントとして今後も注目されることでしょう。