Dotcon × 電熱線 冬季施工実証レポート
冬季になると、歩道や駐車場、施設前では凍結事故が頻発し、安全が脅かされることになります。従来の融雪剤はその効果が認められている一方で、塩害や環境への負荷、さらには再凍結の問題を抱えています。そこで注目されたのが、Dotconという新しい舗装材です。この舗装材は「透水性」「保水性」「ノンスリップ性」を備えており、近年注目を集めています。さらに、Dotconを電熱線と組み合わせることで、新たな冬季施工に挑戦することになりました。
施工の概要
今回の施工では、以下の材料を使用しました:
- - Dotcon舗装
- - 電熱線
- - ワイヤーメッシュ
施工方法としては、まずワイヤーメッシュに電熱線を組み込み、その上からDotconを施行しました。これにより、融雪剤を使用せずに電気的な加熱で雪や氷を溶かすという新たな仕組みを実現しました。
現状と今後の観察
施工直後の現状では、今後の冬シーズンにわたってその効果を観察する予定です。特に注目しているのは、再凍結防止の効果です。融雪水がDotconにしっかりと浸透するため、表面に水が残りにくくなることが期待されています。このことにより、路面でブラックアイスが発生しにくくなり、安全性が大幅に向上することが期待できます。
環境負荷の低減
また、Dotconの利点として、塩分を含む薬剤を使用しない点が挙げられます。これにより、植栽や建材、車両へのダメージを避けることができ、全体としての環境負荷を抑えられる点は非常に重要です。加えて、電熱線が設置されていることで、雪が積もった初期から効果を発揮し、脱雪作業の負担を軽減することが期待されています。
現場ノウハウと施工のポイント
この冬季施工の成功には、いくつかのポイントがあります。まず、電熱線をワイヤーメッシュにしっかりと固定することで、施工中にズレを防ぎます。また、積雪センサーやタイマーと連動させることで、無駄な稼働を抑え、省エネルギーにもつながります。さらに、Dotconの透水性により、融雪水が速やかに地下に浸透し、長時間路面のクリア性を維持できるのも重要な要素です。
まとめ
Dotconと電熱線の組み合わせは、「薬剤に頼らない新しい融雪方法」として注目されています。今回は施工見学会から始まったこの挑戦の効果検証はこれからですが、環境への配慮をしながら四季を通じての快適で安全なインフラの実現に向けた重要な一歩となることでしょう。
この冬季施工のプロジェクトには、炭平コーポレーション株式会社、武田設備株式会社、そしてTUCREWが携わりました。彼らの協力により、この新たな取り組みが実現したことは非常に嬉しい出来事です。