朝日新聞社が新たな組織体制を発表
株式会社朝日新聞社は、デジタル版のさらなる成長を目指し、新年度からの執行役員体制を整え、組織の再構築に乗り出します。この再編により、紙媒体とデジタルにおけるコンテンツの質を保持しながら、デジタル分野での影響力を一層強化することを狙いとしています。
新たなメディアトランスフォーメーション
特に注目すべきは、デジタル版の成長を推進するために、外部人材が重要な役割を果たすことです。新たに専務執行役員に任命された島本久美子氏は、グーグル社やGetty Imagesでの経験を活かし、メディアトランスフォーメーションを統括します。さらに30代の若手マーケティング専門家をCDOとして活用し、デジタル編成本部やデジタル事業本部といった新組織を立ち上げ、デジタルコンテンツの展開やマーケティングの強化を図ります。
販売部門では、デジタル推進部を新設し、デジタル版の会員数を増加させるために販売拠点と連携を強化します。このように、組織全体の協力体制を整え、デジタル時代に適応したビジネスモデルを構築していく意向を示しています。
社会に信頼される情報を提供
朝日新聞社の代表取締役社長、角田克氏は、新体制の下で「トラストアンカー」としての役割を果たすことに全力を尽くすと表明しています。情報の真偽が問われる現代において、人々の判断基盤として信頼される報道が求められています。新人事体制は、多様な人材を意思決定に関わらせ、編集力やマーケティング力、AI技術を駆使して高めることを目指します。
メディア事業本部の刷新とエンジニア組織の強化
3年目を迎えるメディア事業本部は、新たな体制に移行します。不動産部門の統括を兼任する田中悦二常務執行役員は、広告やコンテンツ、ライフスタイルに関わるビジネスを迅速に進めていきます。また、経験豊富な幹部をアカウント戦略やコンテンツIP事業に投入し、新規事業の開発を進めるための結節点を創出します。
さらに、デジタル領域のインフラを支えるエンジニア組織を強化し、技術の活用とサイバーセキュリティの強化もしくは注力します。これにより、全社的な視点から戦略を推進し、迅速な対応が可能となります。
女性リーダーの進出と実務重視の人事
朝日新聞社はまた、女性管理職の比率を2026年春までに20%に引き上げる目標を掲げており、今回の人事でこの比率は昨年より上昇しました。編集部門には初の女性政治部長や重要ポジションに女性リーダーを配置する計画も含まれており、多様な視点が組織運営に反映されることが期待されています。
グループ企業や系列のテレビ局とも密接に連携し、実務を意識した人事を進めます。教育政策室長を兼務する朝日学生新聞社の社長がその例です。様々な経験を積んだ人材が組織の中で交わり、朝日新聞社の未来を切り開くための貴重な資源となることを目指します。
このように、朝日新聞社はデジタル成長を見据えた新たな組織体制を整え、信頼性の高い情報を通じて社会に貢献していく姿勢を示しています。