全国初の認知度調査結果が示す未来への道
一般財団法人日本財団母乳バンク(東京)の理事長・水野克巳氏は、全国初となる全世代対象の「母乳バンク・ドナーミルク認知度調査」を行いました。この調査は、全国の17歳以上の男女1万人を対象に実施され、認知度や利用意向についての貴重なデータが得られました。
調査結果によると、全体的な認知度は比較的低く、「母乳バンク」の認知度は22.6%、「ドナーミルク」は14.0%にとどまりました。特に、出産を控えたプレママ・プレパパ層では、この認知度がそれぞれ59.2%、55.4%と非常に高く、世代間での情報のギャップが顕著であることがわかりました。
また、ドナー登録意向については、出産を控えた層の53.2%が「登録したい」と回答し、ドナーミルクの利用意向も高いことが示されました。しかし、それに対して全体では約半数が判断材料不足の「浮動層」とされ、周囲の理解が登録や利用のハードルになっている可能性があります。
認知度の詳細
調査は2026年1月19日から1月28日の期間、インターネットを通じて行われ、性別や年齢層、居住エリアに基づいて人口構成比に応じたサンプルが選ばれました。「母乳バンク」と「ドナーミルク」についての具体的な認知度は、実際に「内容まで知っている」と答えた人は非常に少なく、全体で見ると母乳バンクは4.5%、ドナーミルクは2.9%でした。
特に、前向きな認知度調査としては、献血や骨髄バンクの85.1%と比較して、圧倒的に低い数字が示されています。このことは、より一層の広報活動が求められることを示唆しています。
ドナー登録の意向
ドナー登録を希望する意向は、全体の約17.7%で、「ぜひ登録したい」との回答は5.2%でしたが、プレママ・プレパパ層では53.5%に達しました。これに対し、育児中のママやパパ層では登録意向が低下する傾向が見受けられ、出産後の忙しさや身体的な負担が影響している様子が見て取れます。
予定している赤ちゃんを支援するために「小さく生まれた赤ちゃんを助けたい」との理由でドナー登録を希望する人が多いことも注目されるポイントです。
ドナーミルクの利用意向
ドナーミルクの利用を希望する意向に関して、全体の29.7%が「利用したい」と回答しましたが、出産を控えた層への問いかけでは45.2%に上昇し、特にその受容が高いことが明らかになりました。しかし、育児層では利用意向が減少しており、衛生面や感染症に対する懸念が見られました。
呼びかけと今後の取り組み
これらの調査結果を受けて、日本財団母乳バンクは今後も、多層的な情報発信を通じて安定供給の促進や理解の拡充を目指すとしています。特に、プレママ・プレパパ層への支援を強化し、ドナー登録やドナーミルクの利用を促進していくことが求められます。
また、医師からの説明や衛生管理の情報提供とともに、経済的・制度的な支援も重要となるでしょう。今後は、より多くの赤ちゃんがドナーミルクを活用できるよう、周知活動をさらに進め、地域での意識啓発に注力することが期待されます。経済的な安心感を提供しつつ、母乳バンクの重要性が伝わる働きかけが必要です。