鴎外の雑誌制作にまつわる特別展「鴎外、雑誌をつくる。」
2026年7月5日から9月30日まで、文京区立森鴎外記念館にて特別展「鴎外、雑誌をつくる。」が開催されます。この展覧会では、作家であり医学者でもある森鴎外が創刊した雑誌の数々を通じて、彼の言論活動の核心に迫ります。
鴎外と雑誌の歴史
日本における雑誌の発行は幕末に始まり、明治時代には政治や経済といった多様なテーマの雑誌が次々と登場しました。特に鴎外が帰国後、主筆を務めた「東京医事新誌」や「衛生新誌」、「しがらみ草紙」などがあり、これらは彼の思想や文化活動の拠点でした。
鴎外は1888年、ドイツから帰国したのち、1890年には「東京医事新誌」の主筆に就任し、さらに「衛生新誌」という医学雑誌を創刊しました。この頃から彼の雑誌制作は本格化し、名だたる作家たちと共に執筆した文学誌も相次いで発刊されます。鴎外の雑誌は、学術的な内容を含むだけでなく、文学的な視点も兼ね備えており、多くの知識人や作家が寄稿し、当時の文化を形成する重要な役割を果たしました。
展示内容
特別展では、鴎外が主宰・主筆を務めた雑誌の展示が行われ、医学雑誌「東京医事新誌」や「医事新論」、文芸誌「めさまし草」など、珠玉の資料が公開されます。特に注目すべきは、鴎外が直接手がけた校正紙などの手書きの原稿です。これらを通して、編集作業の現場を垣間見ることができます。
また、展示では鴎外の文筆活動だけでなく、彼が影響を受けた西洋文学や当時の医学界の動向についても触れ、彼の幅広い知識と影響力がいかに形成されたのかが明らかにされます。
開催概要
- - 会期: 2026年7月5日(日)~9月30日(水)
- - 休館日: 7月27日、28日、8月24日、25日、9月24日、25日
- - 開館時間: 10時~18時(最終入館は閉館30分前まで)
- - 観覧料: 一般300円(中学生以下無料)
さらに、展示に合わせて、ここでしか聞けない講演会やギャラリートークも企画されています。特に、医学雑誌の黎明期について学べる講演会は、多くの関心を集めることでしょう。
関連イベント
講演会「明治期日本の医学雑誌:黎明から展開」も開催予定で、参加は無料ですが、観覧券が必要です。また、ギャラリートークでは、専門家と共に鴎外の生涯に触れられる貴重な機会が提供されます。
このような多彩なプログラムが用意されており、展覧会はただの展示にとどまらず、来訪者に深い学びを提供する場となっています。特に小学生向けのギャラリートークもあり、若い世代に向けた教育的な取り組みも行われています。
終わりに
鴎外がどのようにして雑誌を通じて自身の思想や見解を表現し、当時の人々と対話を試みたのか。その過程を垣間見ることができるこの特別展「鴎外、雑誌をつくる。」は、文学や医学に興味ある方にとっても非常に魅力的な体験となるでしょう。文京区立森鴎外記念館で、ぜひ当時の文化を感じ取ってください。