近年、事業承継が話題になっていますが、その多くは株価や税務、法務という側面に目が向きがちです。しかし、合同会社Projimoが新たに提供を開始した「事業承継IT診断」は、これまでの常識を覆す視点で中小企業の後継者支援に取り組みます。その中心にあるのは、企業の「IT」と「業務」の引き継ぎという概念です。
この診断サービスは、実際に後継者が会社を円滑に運営するために必要な要素を訴求します。中小企業庁が示す事業承継の3類型、親族内承継、従業員承継、第三者承継(M&A)のいずれを選んでも、このサービスが重要な鍵となるのです。
特に、後継者が実際に直面する課題の中には、以下のようなものがあります。:
- - 先代のノウハウが頭の中にしかない
- - 契約が先代の個人名義で残っている
- - 20年以上使われてきたシステムにアクセスできるのは特定の業者だけ
- - 保守契約が文書ではなく口約束に過ぎない
- - ネットバンキングのアクセス権が社長一人だけの手にある
このような状況では、株は渡せても、実際の業務は後継者に渡しきれないことになります。そこでProjimoは「先代依存マップ」という独自のフレームを使い、事業の属人性や契約の所在などを可視化するのです。
事業承継IT診断は以下の特徴から成り立っています。まず、「先代依存マップ」を用いて、社長がいなくなった場合にどの業務が止まるかを明示し、どれだけの速度で影響が及ぶかを色分けします。この視覚的なアプローチにより、後継者は実行すべき施策を具体的に把握できます。
次に、実際の診断は5つの軸に基づいて行われます。これは、属人性・可視化、名義と権限、システムの継続性、数字の見える化、そして変化への耐性といった側面が含まれます。各軸は1.0から5.0で評価され、最も低い数値が特に重要な経営リスクだと位置づけられます。
また、引き継ぎ方法は思想的に異なる3案を提供し、その中には「渡さない」という選択肢も含まれます。この中立的な立場が、Projimoの診断サービスの信頼性を高めています。
さらに、診断結果をもとに最初の90日間の行動計画を策定します。誰が何を、いつまでに判断するかが明確にされることで、後継者は方向性を失うことなく進むことができます。
この診断サービスの料金は、クイックプランが98,000円(税別)から始まり、標準プランで298,000円(税別)となっています。特に、従業員数が10名から100名の中小企業をターゲットにしており、引き継ぎ支援に際しては生成AIを活用することで効率的かつ迅速な対応を実現しています。
代表社員の西川貴弘氏は、地方自治体での16年間の経験を経て、IT業界に転身し、このProjimoを設立しました。彼のビジョンは、「中小企業がITベンダーに騙されない世界」を実現することにあります。事業承継におけるITに関わる診断・支援を行い、地域経済を支えるための重要な役割を担っています。Projimoは今後も中小企業に対する多様な支援を展開しながら、その領域での専門性を高めていくでしょう。