日立、インテルと共同でシリコン量子コンピュータの研究開発を加速

日立、インテルと共同でシリコン量子コンピュータの研究開発を加速



株式会社日立製作所(以下、日立)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」のテーマに採択され、今後、インテル株式会社(以下、インテル)および産業技術総合研究所(以下、産総研)との協力をもとにシリコン量子コンピュータの研究開発を行うことが発表されました。この事業の実施期間は2029年3月までを予定しています。

研究開発の背景



現代社会では、従来のコンピュータでは難しいさまざまな社会課題が浮き彫りとなっています。特に量子コンピュータへの期待が高まる中、「誤り耐性型量子コンピュータ」の実現が急務とされています。この技術により、ノイズによる誤りを訂正しつつ、100万以上の量子ビットを一つのチップに集積することが必要です。日立が focus するシリコン量子コンピュータは、既存の半導体製造技術を活用できるため、大規模化を実現する手段として注目されています。

日立は、内閣府が主導するムーンショット型研究開発事業でも研究を進めており、理化学研究所やimecなどの研究機関と連携しています。これにより、量子ビットを長時間安定して動作させるための制御技術を確立し、学術的成果を産業応用へとつなげる取り組みを行っています。

採択された事業の内容



今回の事業では、量子デバイスの製造とシステム設計を一体的に進めることが求められています。具体的には、以下の4つの主な開発項目が挙げられます。

1. 量子ビットチップ設計およびパッケージング技術
日立は、インテルと連携し、量子ビットが安定して動作するためのチップ構造を設計します。インテルの18Aプロセス技術を適用し、デバイス性能のばらつきを克服するための開発を行います。

2. プロセスデザインキット(PDK)の開発
日立は、量子ビットチップの設計に必要なPDKを活用して、量産を見据えたチップ設計を進めます。

3. 3D実装技術の開発
日立は、高密度の実装技術を開発し、将来的な1,000量子ビットシステムの基盤作りを進めます。

4. クラウド展開向けシステム開発
日立と産総研は、シリコン量子コンピュータのためのクラウドシステムを開発し、外部の研究者も実験環境を利用できるようにします。

事業の目的と展望



日立の今回の取り組みは、量子コンピュータが社会課題を解決するための新しい計算基盤として期待されることに基づいています。2027年度までのクラウド公開を目指し、段階的なサービス展開を計画しています。2028年度には100量子ビットの試作機、2030年度には1,000量子ビットの実現を目指します。これにより、日立は「計算そのもの」の限界を超えた新しいソリューションの創出に貢献し、Lumadaを通じたデジタル事業の発展を追求していく方針です。

企業のコメント



日立の執行役常務 CTO 鮫嶋茂稔氏は、「AIの進展により計算需要は拡大していますが、従来型コンピューティングで解決が難しい課題が顕在化しています。量子コンピュータはこうした課題解決の一翼を担う重要な技術」と述べています。また、インテルの社長 大野誠氏も、「新たな計算モデルに対応するチップや製造技術が必要であり、今回の協業を通じてシリコン量子コンピューティングの産業応用へ向けた基盤を築くことを目指します」と力強くコメントしています。

今後、日立はこの研究開発を通じて、量子技術が持つ可能性を最大限に引き出し、「持続可能な社会の実現」に向けた貢献を進めていく考えです。

会社情報

会社名
株式会社 日立製作所
住所
東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
電話番号
03-3258-1111

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