東急グループが拓く新たな滞在体験:訪日外国人向け24時間オンライン診療サービスを導入
日本の観光業界が活性化する中、訪日外国人観光客の増加は目覚ましいものがあります。しかし、異国の地での急な体調不良は、言葉の壁や医療機関の探しにくさから、大きな不安となることがあります。こうした課題に対応するため、東急不動産グループとエムスリーグループがタッグを組み、新たなサービス「HOTEL de DOCTOR 24」を導入することを発表しました。
東急不動産とエムスリーの戦略的提携が生み出す価値
この取り組みは、2025年3月に締結された東急不動産とエムスリーの業務提携に基づいています。東急不動産が持つ多様な施設と、エムスリーが培ってきた医療関連サービスやIT開発力を融合させることで、施設利用者に質の高いヘルスケア・医療サービスを提供することを目指しています。今回の「HOTEL de DOCTOR 24」の導入は、この提携の具体的な成果の一つであり、特に急増する訪日外国人観光客にとって、安心で快適な滞在を実現するための重要な一歩となります。
「HOTEL de DOCTOR 24」とは? 多言語対応で安心の医療提供
「HOTEL de DOCTOR 24」は、宿泊施設内で医療通訳を介したオンライン診療を受けられる画期的なサービスです。最大の特長は、24時間体制で医師、看護師、そして22言語に対応する医療通訳が連携し、患者一人ひとりに寄り添ったサポートを提供すること。これにより、日本語が不自由な外国人の方々でも、言葉の壁を感じることなく、安心して専門的な医療を受けることが可能になります。
オンライン診療後には、症状に応じて近隣の薬局への案内も行われるため、処方薬の受け取りまでスムーズに完了します。これにより、体調を崩しても旅のスケジュールを大きく乱すことなく、迅速な対応が期待できます。
東急ステイをはじめとする35施設に導入、宿泊客の安心を追求
このサービスが導入されるのは、東急リゾーツ&ステイが運営する「東急ステイ」全31施設と、厳選されたリゾートホテル4施設の計35施設です。東急ステイは、1泊から中長期滞在まで対応し、洗濯乾燥機や電子レンジ、ミニキッチンなどを完備した「暮らすように滞在できるホテル」として人気を集めています。2024年度の実績では、東急ステイ31店舗における宿泊者の外国人比率は62.6%にも上り、訪日外国人観光客にとって欠かせない存在となっています。また、リゾートホテル4施設でも平均41.4%の外国人宿泊客が利用しており、これらの施設での医療サービスの充実は、外国人観光客の満足度向上に直結します。
2025年には訪日外国人観光客が4,000万人を超える見込みであり、宿泊施設における医療アクセスの改善は喫緊の課題となっています。本サービスの導入は、単なる治療だけでなく、異文化間でのコミュニケーションの壁を取り払い、訪日客が日本で過ごす時間をより豊かで記憶に残るものにするための重要な要素となるでしょう。
豊かな滞在体験を創造する東急リゾーツ&ステイ
東急リゾーツ&ステイは、東急ステイを通じて、日本各地の様々なステークホルダーと連携し、外国人ゲストに新たな気づきや感動を提供することを目指しています。また、ROKU KYOTOや旧軽井沢KIKYOといった個性豊かなリゾートホテルも運営し、利用者のシーンに合わせたプライベート空間を提供しています。
今回の「HOTEL de DOCTOR 24」の導入は、これらの宿泊施設が提供する「おもてなし」の質を一層高めるものです。医療の安心という基盤があってこそ、観光客は心ゆくまで日本の文化や自然を満喫し、忘れられない思い出を作ることができるでしょう。今後も、このような革新的なサービスが広がり、訪日外国人観光客にとって、より快適で安全な日本滞在が実現されることが期待されます。
オンライン診療の料金は55,000円(税込)で、提携医療機関が自由診療として行います。詳しい情報や予約は、サービス専用ウェブサイトから確認できます。この取り組みは、日本のホスピタリティ産業の新たなスタンダードを確立し、国際観光都市としての日本の魅力をさらに高めることになるでしょう。