東京書籍と東京外国語大学が共同開発した「リライト教材」
東京書籍株式会社は、東京外国語大学との共同研究により、新しい「リライト教材」を制作しました。この教材は日本語指導が必要な児童生徒を対象にしたもので、国語の読解内容をより分かりやすくするために教科書の本文を日本語にリライトしています。これにより、児童生徒はよりスムーズに国語の内容を理解し、語彙を習得することが期待されています。
リライト教材の特長とは?
リライト教材は、小学校向けにまず開発され、その構成はとてもユニークです。上下2段のレイアウトにて、教科書の本文をそのままリライトした文を並べています。さらにページの左側には、語句の解説を提供する「語句解説欄」があり、補足が必要な語句にはイラストや平易な解説を添付して保つ工夫がされています。例えば、小学校4年生を対象とした「ごんぎつね」のリライト教材によって、児童生徒はより直感的に内容を理解できるでしょう。
中学校向け追加教材の登場
2025年度に向けて、東京書籍は中学校向けの「リライト教材」をさらに増強しました。当教材には、リライト文や語句解説はもとより、「文型の練習」や、内容理解を深めるための「ワークシート」も追加され、教科書の内容に関する理解度がよりアップするように設計されています。中学校2年生向けの「走れメロス」の文型の練習を通じて、語構成を学ぶことも可能です。
教材配信サービスの「NIMOT!」とは
これらの「リライト教材」は、東京書籍の教材配信サービス「みんなにもっとNIMOT!」に収録されています。このサービスは、小中学校のあらゆる教科コンテンツを集約したデジタル教材で、教師並びに学生のニーズに応じた多彩な教材を提供します。指導者用のライセンスでは、収録されているPDFファイルに加え、児童生徒の日本語の能力や文化的背景に応じて編集可能なWordファイルも用意されており、個々のニーズに合った教材としての活用が進められています。
「NIMOT!」では、単元解説や実技のお手本の動画教材、さらにはフラッシュカードやドリル、ワークシートなど、さまざまな形式の教材が揃っています。教科や学年に応じて幅広く利用できるため、個別最適な学習や自由進度の自己調整を支援します。また、探求学習や異教科连携カリキュラムの展開にも適応できる教材となっていることから、教育の質向上に貢献することが期待されています。
東京書籍の教育理念
東京書籍は、1909年に創業し、以来「教育と文化を通じて人づくり」を企業理念と掲げてきました。同社は日本国内において、小・中・高等学校の教科書発行数がトップの出版社であり、近年では デジタル教科書や教育用デジタルコンテンツの開発への注力も見られます。また、幅広い事業を展開する同社は、学力や体力テストの実施や一般書籍の発行なども行い、教育界全体に対して貢献しています。
東京書籍と東京外国語大学の協力による「リライト教材」の制作は、未来の教育をより豊かにし、日本語教育が必要な児童生徒にとって、非常に価値ある支援となるでしょう。