中小製造業のための設備部品管理・マッチングプラットフォーム「Kamameshi」が、東京都ベンチャー技術大賞で優秀賞を受賞しました。この受賞は、日本製鉄初のスタートアップ企業、株式会社KAMAMESHIが提供するこのサービスが、製造業の現場にどれだけ貢献しているかを証明しています。
「東京都ベンチャー技術大賞」は、中小企業が開発する製品や技術、サービスを評価するためのコンペティションです。審査は、新規性・創造性、技術的完成度、独自性、市場性、成長性の5つの基準に基づいて行われます。こうした基準に照らし合わせ、「Kamameshi」は特に優れた点が評価され、受賞に至りました。評価基準が高いため、多くの企業が競い合う中、の優秀賞は喜ばしい成果です。
受賞の際の表彰式は、2023年11月26日に東京ビッグサイトで行われます。このイベントは「産業交流展2025」の一部として開催され、産業界の他のプレーヤーとも交流の場となるでしょう。
「Kamameshi」の特徴には、まず、社内で保有する部品管理システムを中心に、会員間での予備品の売買を仲介することが挙げられます。これにより、製造現場の設備部品の在庫と調達を一元的に管理できるようになります。また、多くの設備保全業務が属人的になりがちな中、デジタル化を進めることで、業務の効率化が図られるのです。
もう一つの特長として、QRコードとスマートフォンやタブレットによる簡単導入が挙げられます。この機能のおかげで、現場の業務効率は大幅に向上します。また、不要在庫の買い取りや共有を行うシステムは、コスト削減と資源の循環を同時に実現するのに役立っています。これらの機能を活かすことで、製造現場の安定した運営が保たれ、資源循環型社会の実現へと寄与するのです。
さらに、Kamameshiは在庫に対するリスクを可視化するための仕組みも提供しています。生産終了品のタグ付けや在庫下限アラートを設定することで、突発的な設備の停止リスクを事前に把握できるようにしています。これによって、メーカーはあらかじめ対策を講じることが可能になります。
KAMAMESHIは日本製鉄の社内起業制度の第一号として、2023年10月にスタートしました。目的は、日本の製造業が直面する問題を横断的に解決する仕組みを築くことです。社名の「KAMAMESHI」は、「同じ釜の飯を食う仲間」を意味し、製造業全体が一体化できるようにとの思いが込められています。
株式会社KAMAMESHIは、東京都大田区に本社を構え、設立は2023年8月です。代表取締役社長には小林俊氏が就任しており、今後もKAMAMESHIはサステナブルなモノづくりを模索しながら、日本の製造業の新たな勝ち筋を生み出すべく挑戦を続けていきます。