企業も注目する卵子凍結の新しい福利厚生「グレイスケア」

株式会社グレイスグループが新たに提供を開始した「Grace Care」は、働く女性の健康を支援するための革新的なサービスです。このプログラムは、妊活や不妊治療を希望する女性に向けた、特に卵子凍結に関する福利厚生を中心に展開されています。2021年から提供されている卵子凍結保管サービス「Grace Bank」を基盤に、企業の負担がゼロでこのサービスを導入することが可能です。

より多様な女性のニーズに応える「Grace Care」

「Grace Care」は、単なる福利厚生ではなく、働く女性の健康をトータルでサポートすることを目指しています。婦人科系疾患の予防から始まり、妊活や不妊治療へのサポートが含まれています。具体的には、Webを通じた問診チェックや、「妊活ダイレクト」という不妊治療のサポートプログラムをコースごとに組み合わせて提供します。

このサービスにより、企業は女性社員が婦人科を受診するきっかけを作ることができます。加えて、卵子凍結を検討している女性に対しては無料相談窓口も設けられており、スタッフが個別に対応します。

社会的背景と経済の視点から見る女性の健康課題

日本経済において、女性特有の健康課題による経済損失が年間約3.4兆円に達しているとの調査結果があります。これを受けて、企業は健康経営の一環として女性社員を支える施策を採用し始めています。この流れの一環として、特に卵子凍結に関連するサービスが注目されています。

経済産業省の調査によれば、日本で婦人科を定期的に受診していない女性が約70％を占め、このことが問題視されています。医療を受けることが少ない社会環境が、女性の健康と関わりのある問題を引き起こしているという指摘もあります。

日本における不妊治療の現状

日本では少子化が深刻な問題となっています。2023年には出生数が73万人を下回り、出生率も低迷している状況にあります。この中で不妊治療が求められている一方、日本の体外受精成功率は低く、悩みを抱える家庭も少なくありません。これに対して、卵子凍結は希望する女性たちに選択肢を提供する手段として注目されています。

不妊治療を受けた女性の中には、仕事との両立が難しいと感じる女性が多く、これは業界においても重大な課題となっています。グレイスグループが提供する「Grace Care」では、仕事と治療を両立させるための具体的なサポートを提供することで、その負担を軽減しようとしています。

海外の成功事例と日本の動向

アメリカでは、すでに多くの企業が卵子凍結に対する費用補助を行っており、特に大手企業では普及が進んでいます。これを参考に、日本でも徐々に導入が進んでいます。日本の企業でも、サイバーエージェントを始めとして、多くの企業が卵子凍結の補助制度を採用しています。

経済産業省認定の健康経営を目指して

「Grace Care」は、働く女性が求める健康情報を提供し、婦人科受診を促進するための施策を行っています。また、企業側でも健康経営優良法人認定制度への対応を進める中で、このようなサービスを取り入れることの意義が高まっています。特に、女性従業員の離職防止や、職場環境の整備に寄与することが期待されています。