寺小屋グループがAI教材「すらら」を導入し学びの新時代へ

四国地区で高い名声を誇る学習塾・寺小屋グループが、次世代の教育システムを採用しました。それがAI教材『すらら』です。これは、株式会社すららネットが開発したアダプティブな対話式ICT教材で、愛媛県を中心とした地域において、2025年春から小学・中学の生徒に提供される予定です。この新たな学びの方法は、学習塾が抱えるさまざまな課題を解決する可能性を秘めています。

新しい教育環境の誕生

寺小屋グループの未来型教室「FLaT」は、AI教材と教員のサポートを組み合わせて展開される通い放題の新ブランドです。ここでの学習は特に中学生向けに重視されており、目標設定や進捗管理が行いやすくなっています。しかし、小学4年生以上にはすでにAI教材が導入されている一方で、低学年の生徒には紙の教材が使用されていたため、指導が一律に行われることに課題が生じていました。特に、学力や習熟度に応じた細かい指導が不足し、講師のスキルにも差が出てしまう状況が懸念されています。

こうした現場の課題を克服するために、寺小屋グループは『すらら』の活用を決定しました。この教材は、AIを活用して生徒一人ひとりに合った問題を提供し、アニメーションキャラクターが楽しく教える仕組みを持っています。これにより、子どもたちは自然と自立した学習能力を身につけることができます。また、講師による伴走型の指導が効果的に行えることで、学習習慣の確立が期待されています。

保護者の期待と共働き世帯のニーズ

寺小屋グループのFLaT事業責任者である平尾大二郎氏は、多くの保護者が子どもの学習習慣や学校に対する不安を抱えていることに触れます。共働き世帯が増える中で、保護者が子どもたちの学習状況を把握することが難しくなっている現状には、データとして学習の成果が残る『すらら』が一役買うと考えています。これにより、家族間のコミュニケーションも改善されると言います。

また、平尾氏は『すらら』が幅広い学力や学齢に対応でき、指導現場での柔軟さも実現できる点を強調しています。楽しみながら学べる環境を整え、多くの低学年の子どもたちが通う学習塾を目指しているとのことです。

教育現場の反応と変化

実際の現場からは『すらら』に対して高評価が寄せられています。新しい教材の導入により、指導の選択肢が増えることに講師たちも喜んでおり、ショッピングモールでの体験会では、小学生たちが『すらら』に興味を持ち、「勉強って楽しい！」と楽しむ姿が見られました。しかし、保護者の中には「子どもがタブレットに向かって黙々と学んでいる姿に不安を感じる」との声もあります。ただし、『すらら』は一方向的な動画ではなく、キャラクターとの対話を通じて学ぶため、楽しさを兼ね備えた設計です。「ぜひ一度お子さまと一緒に画面をご覧いただき、新たな学習体験を実感して頂ければ」と平尾氏は希望を込めて語ります。

学習塾の未来を見つめて

寺小屋グループの副社長、奥田謙介氏は『すらら』の導入に強い期待を寄せています。低学年の子どもたちに学びを始めさせるために、aiによって楽しさと効果的な導入が図れる点が特に評価されています。最近では、小学校受験や中学受験が拡大しており、寺小屋グループは新たな時代のニーズに応じた教育の方法を模索しています。『すらら』の活用により、小学生から積極的な自立学習を促進し、高品質な指導を地方から全国へ広めていくことが目指されています。