横須賀美術館企画展「運慶と三浦一族の信仰」
2024年10月から始まる横須賀美術館の特別企画展「運慶展運慶と三浦一族の信仰」に注目が集まっています。この展覧会では、12世紀から13世紀の三浦半島における三浦一族の影響力を示す貴重な仏像を展示します。
三浦一族は、鎌倉幕府が成立する前後の時代に、地域で大きな力を持った武士たちです。彼らの地位を象徴するように、横須賀や三浦半島には、一族にゆかりのある寺院が多数存在し、当時の一流の仏師によって制作された仏像が安置されています。特徴的なのは、国指定重要文化財に指定されている六体の仏像があり、これらは三浦一族の宗教的な価値観を伝える重要な文化財です。
本展では、特に和田義盛の依頼によって、仏師運慶が制作した阿弥陀三尊像や不動明王像、毘沙門天像の三つを中心に紹介します。これらの仏像は横須賀市の浄楽寺に所蔵されており、運慶の技術力と三浦一族との関わりを物語る重要な作品となっています。また、展覧会では義盛が所蔵した薬師如来像や、南宋から伝わった観音菩薩坐像といった、三浦半島の宗教的な先進性を物語る仏像も登場します。
さらに、この運慶展は「運慶と鎌倉」をテーマに据え、神奈川県立金沢文庫や鎌倉国宝館との連携展示の一環でもあります。それぞれの館で異なるテーマが設定されており、鎌倉幕府や三浦一族、さらには中世の仏教文化の重要性を深く掘り下げた展示を楽しむことができます。
展覧会の詳細
- - 展覧会名: 運慶展運慶と三浦一族の信仰
- - 会期: 令和6年(2024年)10月26日(土)~12月22日(日)
- - 開館時間: 10時~18時
- - 期中の休館日: 11月5日(火)、12月2日(月)
- - 会場: 横須賀美術館地階展示室5・6・7(〒239-0813横須賀市鴨居4-1)
- - 観覧料: 一般1,000円(800円)、高大・65歳以上800円(640円)、中学生以下無料
お得なセット券も用意されており、同時開催される「響きあう20世紀美術」展との組み合わせで割引料金が適用されます。一般の方は2,000円(1,600円)、高大・65歳以上は1,800円(1,440円)で観覧可能です。
また、身体障害者手帳や療育手帳を持っている方は、付き添い1名と共に無料で観覧できます。文化の日(11月3日)には無料観覧日も設けられています。
この展覧会は、運慶と三浦一族の繋がりを深く考える貴重な機会であり、地域の歴史や文化に触れる絶好のチャンスです。
連携展示について
- 会期: 令和6年10月19日(土)~12月1日(日)
- - 神奈川県立金沢文庫: 「運慶―女人作善と鎌倉幕府―」
- 会期: 令和6年11月29日(金)~令和7年2月2日(日)
各展示館のウェブサイトをご覧いただくと、詳細な情報が得られます。横須賀美術館は、地域の文化的な宝物を守り、広めるためにこの展覧会を開催しています。ぜひ、この機会に三浦一族と運慶の歴史に触れ、彼らの信仰に思いを馳せる時間をお過ごしください。