業種別Work Switch Score調査2024：はたらくWell-beingの多様性を探る

2024年7月、パーソルグループのパーソルワークスイッチコンサルティング株式会社が発表した「業種別Work Switch Score（ワークスイッチスコア）調査2024」が注目を集めています。この調査は、企業における“はたらくWell-being”の現状を明らかにすることを目的として、10,000名を対象に実施されました。

はたらくWell-beingは、働くことを通して感じる幸福や満足感を指し、パーソルグループはこの状態を向上させるための施策を企画し、企業への支援を行っています。本調査によって、業種別のスコアや傾向、さらには個人の動機づけタイプに基づく影響因子が浮き彫りとなりました。

調査結果の特色

調査結果を見ると、教育や医療・福祉業種は比較的高いスコアを示していますが、製造業や運輸・郵便業においては逆に低いスコアが目立ちました。特に、クラスター分析によって明らかになったはたらく動機づけタイプは、個々の性別や年代にかかわらず多様性が存在することを示しています。

成瀬岳人氏（パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社コンサルティング事業部ビジネスR&D部部長）は、「はたらくWell-beingを向上させるためには、業種特性や従業員の動機づけに応じた施策が求められる」と強調しています。これは、特に組織エンゲージメントや働く環境改善、評価不満の軽減が後押しになるとされています。

具体的な調査方法

調査の中では、はたらくWell-beingの指標としてパーソルグループが定義した３つの基準を設け、それによってスコアが算出されました。クラスター分析を用いてはたらく動機づけを分類した結果、現在では「生活のためタイプ」、「自己実現タイプ」、「やる気満々タイプ」の３つの動機づけが特定されています。

特に、自己実現タイプにおいては他者からの承認の実感向上が高く、評価不満や疎外感の改善がスコア向上に寄与する要素であることが分かりました。これは、企業が労働者の動機を理解する上で重要な示唆を提供します。

今後の展望

パーソルワークスイッチコンサルティングでは、今回の調査から得たデータをもとに、企業が従業員のWell-beingを向上させるための実践的な支援を行っていく方針です。彼らは、業種に応じた特性を把握し、社員一人ひとりのニーズに応える施策の立案を進めています。

この調査結果は、単なる数値としてだけでなく、一人ひとりの“はたらくWell-being”の向上に寄与するための貴重なデータとして位置付けられています。

今後も、こうした調査が継続的に行われ、労働環境の改善に向けた新たな方向性が示されることを期待しています。