大阪・関西万博で体感する月面探査の魅力と未来の可能性

大阪・関西万博のJAXA展示ブースで見つけた宇宙の魅力

2025年8月31日、大阪・関西万博のJAXA常設展示ブースにて、特別セッション「月に立つ。その先へ、」が開催されました。このイベントは、小学生以下の子どもたちとその保護者を主な対象とし、宇宙について学びながら交流を楽しむことを目的とした夏休みのスペシャル企画です。テーマは、月面探査と水の重要性。月に存在すると考えられる水を探するLUPEX（Lunar Polar Exploration）プロジェクトに焦点を当て、2部構成のトークと映像体験を通じて、参加者全員が宇宙の魅力を感じられるような内容が用意されました。

第1部：宇宙を感じる映像新体験

セッションの第一部では、映像監督でCGクリエーターの上坂浩光氏が登壇。彼が制作に関わった宇宙映像「Space Theater」の裏話を語る場面がありました。映像のスケール感や美しさに加え、リアルな宇宙表現を実現するためのCG技術についても詳しく紹介されました。特に参加者は、まるで宇宙が目の前に広がるかのような体験に引き込まれ、「月に行ってみたい！」という夢を抱く子どもたちも多く見られました。

参加した子どもたちからは「宇宙の神秘を知れた」との声が多く上がり、上坂監督が語った内容に強く共鳴した様子。彼の言葉では、宇宙へ行くためのロケットの打ち上げや皆既日食、オーロラなど、人生でぜひ体験するべき三つの場面について語られました。これらは宇宙への憧れや未知への探究心を刺激するものであり、参加者全員に強い印象を与えました。

第2部：LUPEXが見つめる未来

続いて第2部では、JAXAの麻生大プロジェクトマネージャーと井上博夏氏が登壇し、LUPEXプロジェクトについて講演しました。このプロジェクトは、JAXAとインド宇宙研究機関（ISRO）との共同で、月極域の水資源を探査する国際ミッションです。月の南極のクレータには太陽光がほとんど届かない「永久影」があり、氷が存在する可能性が指摘されています。この氷は、生命維持だけでなく、将来のロケット燃料やエネルギー源としても重要視されています。LUPEXは、月面基地建設のための重要なステップともされています。

参加者は、探査車が月面を走行し、水の存在を明らかにする過程を学ぶことで、宇宙探査への興味を抱き、さまざまな質問やクイズを通じて理解を深めていました。特に、多くの家族が一緒に考える姿が見受けられ、笑顔があふれる時間となりました。このようなイベントを通じて、子どもたちの科学への興味と探究心が育まれることが期待されます。

未来を切り拓く宇宙探査

上坂浩光氏は、「宇宙という大きな存在の中で生きている」とのメッセージを参加者に贈り、各自が宇宙について考える契機となることを願っています。また、次世代の宇宙探査者を育成するために、今後もイベントやコンテンツを展開していくという意気込みを示しました。

大阪・関西万博のJAXA常設展示ブースは、宇宙に触れることができる貴重な体験の場であり、科学と遊び心を融合させた魅力的なプログラムを通して、参加者が宇宙の奥深さを感じることができる場所です。この特別セッションへの参加をきっかけに、未来の宇宙探査に向けて多くの人が夢と希望を持つことにつながるでしょう。