琵琶湖博物館で新たに外来種の害虫が発見
2023年11月14日、滋賀県の琵琶湖博物館において、定期生物環境調査の際に外来性の害虫「ニュウハクシミ」が発見されました。この虫は、特に紙や衣類への食害で知られており、その強い繁殖力から、博物館の資料に対する脅威となる可能性が高いです。
発見の経緯
発見されたニュウハクシミは、博物館内の地下収蔵庫や展示室など、複数の場所で1匹ずつ見つかりました。調査は年に3回行われており、害虫トラップを利用して行われる中で、職員がニュウハクシミの可能性が高い個体を特定しました。現時点では、国立文化財機構の東京文化財研究所に同定を依頼し、その結果を待っている状態です。
ニュウハクシミの生態と影響
ニュウハクシミは、特に食害と糞による汚染を通じて資料に被害をもたらします。この虫の繁殖力は非常に高く、単為生殖を行えるため、オスなしでも繁殖が可能です。これにより、広い範囲に個体数を拡大することができ、一度発生すると完全に駆除することが難しくなります。
令和4年(2022年)時点では5都道県での報告があったニュウハクシミですが、翌年の令和5年(2023年)には19都道府県にまで拡大しているとのことです。特に滋賀県周辺の岐阜県、京都府、大阪府、奈良県、兵庫県ではその報告が確認されています。
博物館での対応
琵琶湖博物館では、発見された箇所を中心に十分な衛生管理が施されています。展示ケース内には防虫蒸散剤が設置されており、防除のためのキットも東京文化財研究所から提供されています。現在も経過観察が続けられており、今のところ新たにニュウハクシミの個体は報告されていません。
結論
琵琶湖博物館はその資料の保護のため、全力でニュウハクシミの駆除と防除対策に努めています。今後、滋賀県内でのこの害虫の影響に注目が集まることになるでしょう。関心のある方は、東京文化財研究所のホームページで最新の情報を確認することが推奨されます。
詳細は、
東京文化財研究所のホームページをご覧ください。