メタバースビジネスに対する日本の現状と未来の可能性
近年、仮想空間でのビジネス活動が注目を集めていますが、Cienaが実施した調査によると、日本企業ではメタバースの活用があまり進んでいない実態が浮かび上がりました。本調査は、15か国計15,000人のビジネスプロフェッショナルを対象に行われ、日本のビジネスマンたちのメタバースに対する意識を探りました。
メタバース活用への抵抗感
調査データによると、日本の回答者では29%が既存の仮想会議ツールで十分と感じ、27%が該当技術の利用が難しい、さらに28%が仮想業務環境への移行に必要な知識が欠如していると回答しています。この背景には、日本のビジネス文化が強く影響していると考えられます。特に、長年の業務習慣が根付いている中で、新たな技術を導入することに対する抵抗感があるようです。
ちなみに、世界では71%が業務にメタバースを取り入れる可能性があると答える中、日本ではわずか36%という結果も興味深いです。また、メタバースを全く利用しないと回答した人の割合は、世界で4%に対し日本では26%と、顕著な差があります。
将来の展望と可能性
それでも、日本におけるメタバースの可能性を完全に否定することはできません。調査によれば、57%の日本のビジネスプロフェッショナルが人事分野でのメタバースの活用には抵抗を感じていないと答えています。特に、採用面談などといった場面において仮想環境を取り入れることに対して、強い抵抗感がないことが伺えます。
また、対面での会議に比べたビデオ会議の利点として最も多く指摘されたのは、利便性の向上(42%)、続いてコスト削減(37%)です。このことからも、ビジネスシーンでの新たな選択肢としてのメタバースは今後の成長が期待されています。
Cienaの見解
Cienaの日本シエナコミュニケーションズ株式会社の代表取締役社長、高橋一泰氏は、メタバースの導入には堅牢なネットワークインフラストラクチャが必要であると強調します。日本のビジネスプロフェッショナルは新技術の導入を望みつつも、実際には取り入れる際の壁があることを認識しているようです。これを克服するためには、他国に遅れを取らないための努力が必要不可欠です。
高橋氏は、「メタバースのメリットを享受するためには、日本企業が技術を導入する必要があります。また、サービスプロバイダーは進化するこの技術に対応するために基盤となるネットワークへの投資を続ける必要があります」と述べました。超低レイテンシーで高帯域幅を求める世界において、最新のネットワーク技術が必要とされています。
結論
Cienaの調査は、日本のビジネスシーンにおけるメタバース活用の現状と課題、さらには将来の展望について多くの示唆を与えています。日本企業が今後この新しい技術をいかに取り入れ、活用していくかが注目されます。今後も引き続き、メタバースの動向に注目していきたいものです。
会社情報
- 会社名
-
日本シエナコミュニケーションズ株式会社
- 住所
- 東京都千代田区丸の内1丁目11番1号パシフィックセンチュリープレイス丸ノ内 26F
- 電話番号
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03-6367-3940