派遣社員の意識と実態 2024年版
株式会社マイナビが発表した「派遣社員の意識・就労実態調査(2024年版)」によると、今後も派遣社員として働く意向のある人は約48.2%で、正社員になりたい人のおよそ2倍の結果となりました。調査は2024年7月に行われ、1,400名の派遣社員を対象にしています。
派遣社員として働き続ける意向
調査によると、派遣社員が今後の働き方として派遣を選ぶ理由の中で、「飲み会の誘いを断りやすい」「時間的な余裕がある」との声が特に目立ち、正社員との比較でも大きな差が見られました。派遣社員は、自身のライフスタイルを優先できるため、人間関係のストレスが軽減されるという点に魅力を感じているようです。
正社員を希望する派遣社員の現実
一方、正社員となりたいと考える派遣社員は26.6%(前年比3.2ポイント減)。そのほとんどが正社員になることに対して高いハードルを感じており、特に「年齢制限」や「現在のスキルでは不十分」といった意見が多く寄せられました。それだけでなく、「派遣社員から正社員になるケースが少ない」との実感も強い様子です。このように、正社員志望者の多くが自身の限界を感じていることが明らかになっています。
正社員化への道
派遣先や派遣元から正社員への誘いを受けることができるのは、正社員経験のある派遣社員が多く、全体でみると約32.6%がその機会を持っています。正社員経験がない派遣社員でも、自ら申し出ることで約70%が正社員に転換されているという実態もあります。すなわち、積極的にアクションを起こすことが、正社員化に繋がる可能性を示唆しています。
スキルアップ制度の利用状況
派遣社員の中で、派遣元のスキルアップ制度を利用している人は約28.1%です。この制度を利用することで得られる満足度は81.4%、逆に未利用者は68.6%に留まっています。また、スキルアップ制度を利用しているり派遣社員の平均時給は1,619円と、未利用者(1,417円)よりも202円高いことが明らかになりました。スキルアップは職場での評価向上だけでなく、実際の給与にも大きな影響を与えているのです。
まとめ
今回の調査からは、派遣社員が抱える課題や希望が浮き彫りとなりました。正社員になりたいと考える派遣社員の多くが高い壁を感じている一方で、自らの取り組み次第ではその壁を乗り越えることも可能であるという点も重要です。今後も派遣社員としてのスキルを高め、自己啓発や企業への申し出を通じて、キャリアの道を広げていくことが求められています。