次世代物流インフラに向けた取り組み
ecoro株式会社(本社:神奈川県横浜市)と清水建設株式会社(本社:東京都中央区)は、国土交通省が推進する「自動物流道路(Autoflow Road)」の社会実装を目指し、共同実証実験を行うことを発表しました。この実験は2025年4月に、清水建設の研究開発拠点「温故創新の森 NOVARE」で実施されます。
実証実験の背景
日本の物流業界は、ドライバー不足や燃料費の高騰、CO₂排出削減の必要性など、さまざまな課題に直面しています。これらに対応するため、国土交通省は無人化された搬送機がクリーンエネルギーを使用して24時間稼働できる新たなインフラ、「自動物流道路」の概念を提唱しています。ecoroと清水建設は、この構想に賛同し、共同で実証実験を行うことになりました。
ecoroは、工場や物流倉庫、空港などの大規模施設において無人搬送の技術を専門とするスタートアップの一つです。自動搬送車両と自動積み降ろし機構を組み合わせ、高い効率を維持しつつ運用コストを削減できるシステムを設計しています。一方、清水建設は、先端インフラの設計・建設における豊富な経験を生かし、次世代物流インフラの研究開発を推進しています。この両者の強みを組み合わせることで、より実現可能な物流システムの開発を目指しています。
実証実験の概要
今回の実証実験では、主に自動物流道路における通信の安定性が中心に検証されます。具体的には、自動走行EVの走行精度や通信状況の監視データを利用し、実際の物流運用において必要とされる信号強度や通信の切断頻度を測定します。また、得られたデータを基に、事業性の評価に役立つシミュレーションも行われます。
実施内容
- - 実施時期: 2025年4月
- - 場所: 温故創新の森 NOVARE(東京都江東区)
- - 目的: 両社の技術力を相互に補完し、輸送の効率性や事業シミュレーションのための技術的な検証を行うこと。
- - 参加者: 約100名の事業パートナーや投資家、VCなどが参加する一般公開見学日も設けられる予定です。
検証項目
1.
通信安定性の測定: 走行中の信号強度や通信の断絶状況をログとして取得し、復帰までの時間を計測。
2.
位置推定精度の評価: 走行速度を変えながら複数回のテスト走行を行い、自己位置推定の誤差を測定します。
3.
データ活用: 走行データを用いて、拠点運用条件や自動物流道路の事業性を評価。
4.
システム統合の検討: 清水建設の自動運転プラットフォームとの連携による実現可能性の調査を行います。
実証実験の一般公開日には、参加者に対して両社の技術や連携の枠組みについてのプレゼンテーションがあり、関心を持つ声も多数寄せられたことから、十分な成果が見込まれると期待されています。
技術の概要
ecoroの自動搬送システムは、車両、ターミナル、管制ソフトを統合した一元的な管理機能を持つプラットフォームです。高効率の自動搬送が可能で、コストの削減も実現しています。自動搬送車両は、無人で屋外での自己位置推定と走行制御を行えるように設計され、大規模なインフラ投資を必要とせずにスケールアップが可能です。これにより、物流用途に応じた柔軟な運用が実現します。
企業の役割と今後の展望
ecoroは自動搬送EVの提供とその実証を行い、データの取得を担当します。また、得られた知見をもとにさらなる技術開発を促進します。清水建設は、実証の場を提供し、現場オペレーションから得られる実情をもとに今後のインフラ要求を考察する役割を果たします。
両社はそれぞれの強みを活かし、物流インフラの進化に向けた技術と事業の連携を続ける計画です。自動物流道路の実現に向けて、今後も協力を強化し、具体的な成果に繋げていくことを目指しています。
ecoro株式会社
ecoroは、日本国内で屋外自動搬送システムの開発・提供を行うスタートアップです。ドイツに本社を置くecoro GmbHの日本法人として、各種プロジェクトから得た知見を生かし、持続可能な物流システムの発展に貢献しています。今後も新しい技術開発に注力し、社会に貢献していく所存です。公式サイトでは、より詳細な情報が提供されています。