三重県明和町で麻栽培が成功!3メートル超えの麻が豊作!歴史文化継承と聖地化へ
三重県明和町で、歴史文化の継承と地域活性化を目指した「天津菅麻プロジェクト」が、大きな成果をあげています。一般社団法人明和観光商社が中心となり、産学官連携で取り組むこのプロジェクトは、2023年度に初栽培が行われましたが、明和町の気候風土に合わせた栽培方法が確立されていませんでした。そのため、麻は思うように育たず、繊維用の用途としてはほとんど使えませんでした。
しかし、2024年度は、昨年度の反省を活かし、地域住民の協力のもと、土壌改良や雑草対策を徹底的に実施。その結果、麻は3メートルを超えるまでに成長し、豊作となりました。
伝統文化継承と観光コンテンツ開発
収穫された麻は、伝統的な工法を用いて繊維などに加工され、様々な用途に活用されます。明和観光商社は、麻の歴史文化を体感できる観光コンテンツを開発し、地域の魅力発信に力を入れます。また、担い手育成のための研修プログラムやワークショップ、イベントなども開催し、明和町産の麻を用いて伝統文化の継承を図っていきます。
明和町の麻文化
明和町を含む多気郡は、古くから麻を栽培し、麻糸や麻布を生産してきた「麻績郷(おみごう)」として知られています。伊勢神宮で使用する麻の栽培地としての歴史を持ち、現在でも当時の麻績氏(おみし)が麻を織っていた神麻続機殿(かんおみはたどの)神社(現松阪市)では、毎年神宮に奉納する麻織物が奉織されています。
天津菅麻プロジェクト刈取神事
2024年7月21日(土)には、さいくう平安の杜・西脇殿にて、青々と育った麻に感謝と他栽培地での豊作を祈願する「刈取神事」が執り行われました。この神事は見学無料で、誰でも参加できます。ただし、畑の中には入ったり麻に触れたりすることはできません。
天津菅麻プロジェクトについて
天津菅麻プロジェクトは、明和町、明和観光商社、皇學館大学、三重大学、(株)伊勢麻、ヘンプイノベーション株式会社、一般社団法人 麻産業創造開発機構、一般社団法人 伊勢麻振興協会など、様々な機関が連携して進めるプロジェクトです。明和町内の公有地や農地で大麻草を栽培し、麻に関する歴史文化の継承、農業としての大麻生産の確立、担い手の確保、明和町内での麻産業の振興などを目指しています。
明和観光商社について
明和観光商社は、明和町の観光資源や地域資源を効果的に連携させた観光施策を推進する地域DMO&地域商社です。観光地域づくり、ふるさと物販、ふるさと納税支援などに取り組むとともに、天津菅麻プロジェクトにも参画しています。
まとめ
明和町での麻栽培は、地域活性化、歴史文化継承、伝統産業の振興という3つの目的を達成するための重要な取り組みです。3メートルを超える麻の豊作は、プロジェクトの成功を証明するものであり、明和町が麻の聖地として発展していく可能性を示しています。