TOHOシネマズとRokt、パーソナライズ広告で新たな収益源を確立

TOHOシネマズ、Roktと協力して広告配信を強化

TOHOシネマズが、Eコマース領域の革新企業Roktと提携し、顧客のチケット購入直後に関連性のある広告を表示する新しいマーケティングソリューションを導入しました。この取り組みは、顧客の体験を向上させつつ、映画配信の収益を多様化することを目指しています。

映画業界のデジタル変革

最近、映画チケットの購入は劇場窓口からオンラインへと急速にシフトしています。現在、TOHOシネマズでの売上の50%以上がオンラインを介して行われている状況です。このような流れの中で、TOHOシネマズは新たな収益の流れを模索し始めました。目標は、劇場での軽飲食や映画関連商品の販売を超え、自社ウェブサイトでの付帯収益を増やすことです。

Roktの技術がもたらす新しい提案

TOHOシネマズによると、Roktの提供する「Rokt Ecommerce」は、顧客がチケットを購入した際の情報をもとに、関連性の高い外部広告の提案を行います。この技術は、顧客体験を損なうことなく、さまざまなオファーを提示することで、さらなる売上向上を図るものです。特に、購入後のタイミングで表示されるため、チケット購入の流れが変わることはありません。

実際、2024年1月にRokt Ecommerceを導入し始めたTOHOシネマズは、2024年5月時点での広告クリック率が13%、広告収入はいわゆるeCPMで6,500円以上に達しています。これにより、当初の目標を上回る形で、収益を上げ続けているとのことです。

関与者のコメント

TOHOシネマズの事業開発室長、安井昌宏氏は「オンラインでのチケット購入が5割を超える中で、Roktとのパートナーシップにより、高い収益性と持続可能な新たな収益源を確立できたことを嬉しく思っています。」と述べています。

一方、Roktの日本法人代表、三島健氏も「TOHOシネマズ様との連携を通じ、映画ファンが新たなコンテンツに出会える機会を創出できることを嬉しく思います」と語っています。このように、顧客、映画館、広告主がそれぞれの利益を得る環境を作り上げることが、この提携の最大の目的だと言えそうです。

TOHOシネマズのプロフィール

TOHOシネマズは日本国内に70を超える映画館を展開する大手映画興行会社であり、常に顧客の満足度を上げるためのサービス向上に努めています。映像作品の鑑賞を通じて、人々に「GOOD MEMORIES」を提供することを理念として掲げています。

Roktの果たす役割

Roktは、Eコマースに特化したテクノロジー企業であり、顧客が商品を購入する際のタイミングで関連するオファーを表示することで、企業の収益を向上させるソリューションを提供しています。現在は北米、ヨーロッパ、アジアパシフィック地域で事業を展開し、多数の企業でその技術が活用されています。

このように、TOHOシネマズとRoktの連携は、映画を楽しむための新しい形を提供するだけでなく、業界全体の収益モデルを進化させる可能性を秘めています。これからもどのような展開が見られるのか、目が離せません。