鳴門教育大学が目指す未来の教師養成
鳴門教育大学は、次世代の教師が求められる教育環境の変化に適応し、「主体的に学び、創造的に実践する教師」の養成を目指している。これに向けた新たな学修環境の整備が始まったことが話題を呼んでいる。
教師の在り方の転換
同大学では、従来の教育アプローチを見直し、学生が主体的に学ぶ力を育成することが新たな理念とされている。多様な子供たちや複雑な教育課題に適切に対処できる能力を養うため、教育の形式を改革している。具体的には、従来のスタンダード教育から、自己成長を追求する「セルフデザイン型学修」への転換を図っている。
この改革は3つの柱から成る。「カリキュラム改革」「指導体制の整備」「学修環境の整備」の三位一体で、学生の学びを全方位で支援する体制が整えられている。これにより、教員養成における詰め込み教育から脱却し、実際に使える知識と技術の習得を目指している。
カリキュラムとサポート環境
鳴門教育大学のカリキュラムには、セルフデザイン型学修が中心に据えられている。これにより、学生が自由に学びをデザインできるゆとりが生まれる。さらに、セルフデザイン型学修支援センターが設けられ、学生の学びを全学でサポートする体制が整う。
また、学修環境としてのEdTechの利用が進められており、主体的・協働的な学びを促すスペースが新たに整備された。特に、共通講義B棟の各講義室や演習室では、机や椅子の配置を自由に変更できる可変性の高い設計が施されている。これにより、授業スタイルに応じた柔軟な学びが実現可能となった。
ICTとEdTechの統合利用
新たな学びの場には、ICTやEdTechを活用した設備が整っている。電子黒板やインタラクティブディスプレイが設置され、学生は個人端末を持参し、授業内容や意見をリアルタイムで共有できる。これにより、討論や振り返りも即座に行え、より速やかに学びを深められる。
さらに、確保されたホールでは、スツールやテーブルが全面に配され、プレゼンテーションの練習や資料作成を行う場としても機能している。このような環境が整備されることで、学生は自然に集まり、協働して議論を進めることができる。
ハイフレックス型授業への対応
この学修環境は、対面授業に加えてオンライン授業も同時に行えるハイフレックス型の授業にも対応している。高性能なマイクやカメラを備え、遠方にいる学生や教員との円滑なコミュニケーションを実現。こうした設備があれば地域の制約を超えた学びの機会を提供し、普通の学生だけでなく、へき地や過疎地域の多様な学習者にもアクセスが向上する。
未来を担う学生たちの体験
鳴門教育大学では、新たな学習環境により学生が主体的かつ協働的な学びを体験することが重視されている。未来の教室での学習を通して、学生たちは「学びが変わる」という感覚を直に感じ取ることができる。このような経験が、将来教壇に立った際に、子供たちの可能性を引き出し、多様な学びを促進する力に繋がるのだ。
まとめ
このように、鳴門教育大学は未来志向の教師を育成するための革新を進めており、その取り組みは、教育界全体にとって非常に意義深いものとなるだろう。新しい学修環境の整備は、学生一人一人の成長に寄与し、教育の質を向上させるための重要なステップであると言える。これからの教師育成の在り方を示す先駆けとなることが期待される。