未来の都市ガス安全管理を実現する新システム
都市ガスの安全を守るための新たな技術が誕生しました。東京貿易メカニクス株式会社と東邦ガスエナジーエンジニアリング株式会社の連携により、付臭滴下の状況を24時間遠隔で確認できる「付臭滴下監視システム」が開発されたのです。このシステムの主な目的は、都市ガスの利用過程における安全を向上させること。特に、漏洩の早期発見や未付臭状態の監視が重要視されています。
開発の背景
都市ガスには一般的に、漏洩時に人がその存在を感じられるように臭いを付けることが義務付けられています。従来のやり方では、点検員が毎日1〜2回、付臭剤の滴下状況を目視で確認していました。しかし、夜間の確認では誤認や見落としが起こりやすく、これが事故の原因となる可能性がありました。さらに、未付臭状態が発生した場合、その確認方法にも課題が残っていたのです。これらの問題を解決するため、東京貿易メカニクスと東邦ガスエナジーエンジニアリングは協力し、スマート保安の概念を取り入れた新システムを開発しました。
システムの特徴
付臭滴下監視システムは、以下のような特長を持っています:
- - 24時間カメラ監視: 付臭剤の滴下状況を常時チェックし、いつでも可視化されています。
- - 自動警報システム: 未付臭状態が続くと、監視用パソコンに取り付けたパトライトが点灯し、関係者に警報メールを送信。
- - 履歴確認: 未付臭状態の発生時において、その映像を遡って確認することができ、状況を詳しく把握できます。
- - 遠隔確認: 必要に応じて、パソコンやスマートフォンからでも状況をチェック可能。
- - 遠隔操作: カメラのピントを遠隔で調整でき、視認性を向上させます。
このシステムは2025年4月から販売を開始し、2025年8月には金沢エナジー株式会社のエネルギーセンターでモニター運用がスタートしました。今後、このシステムの導入メリットを広く周知し、さらなる普及を目指しています。
会社の取り組み
東京貿易メカニクス株式会社は、ガスエネルギーに特化し、設計から開発、製造、販売、メンテナンスまで、一貫したサービスを提供しています。その姿勢は、「高圧ガスのプロフェッショナル集団」という表現に象徴されます。エネルギー社会への貢献を使命とし、安心・安全な持続可能な社会の実現に向けて日々取り組んでいるのです。
エネルギーインフラやスマートマニュファクチャリングなどの分野において、東京貿易グループは1947年の創業以来、多様な事業を展開し続けています。彼らのビジョンは、変革を恐れず、新たな価値の提供を続けることで、全ての人が安心して生活できる社会を築くことにあります。
おわりに
技術の進歩によって、都市ガスの安全管理は新たなステージへと進化しつつあります。東京貿易メカニクスの付臭滴下監視システムは、未来の安心・安全な社会を支える重要なツールとなるでしょう。今後の展開に期待が寄せられます。