色鮮やかな理系的発想力を集めた一冊
2025年2月28日、出版社新潮文庫から、日経「星新一賞」の一般部門グランプリ作品を収録した『星に届ける物語日経「星新一賞」受賞作品集』がリリースされます。この本は、一般部門の受賞作11編が合集されており、文学に科学的視点を持ち込んだ作品群が特色です。
日経「星新一賞」とは
日経「星新一賞」は、創設から間もない2013年に始まった革新的な文学賞として、理系的発想力をテーマにした作品を募集しています。応募は誰でも可能で、中学生以下対象のジュニア部門も存在します。また、この賞は特に独特な特徴として、AIの応募を認めている点があります。作品の規定字数は「10,000文字以内」とし、一般的な文学賞の規定に縛られない自由な表現が促されています。
アンソロジー『星に届ける物語』の内容
本書には、第1回から第11回までの一般部門グランプリ作品が収められており、作品は多岐にわたります。論文形式のストーリーや、事故寸前の2台の車両の車載AIの会話、未来における新技術の普及を描いた作品など、あらゆるジャンルからの創作が見られます。また、作品の隅々にまで理系的な驚きが散りばめられています。
特に印象的なのが、巻末に収められた慶應義塾大学の大澤博隆さんの解説です。理系文学の重要性やその楽しさについて鋭い考察が加えられています。
読者に捧げる一冊
本書は星新一賞に興味を持っていた方々、応募を考えている方、さらにはSFファンにもぜひ読んでいただきたい作品です。多様な視点から構成された物語は、読者の心を刺激し、理系的発想力の楽しさを存分に味わえます。
収録作品一覧
1.
藤崎慎吾「恐怖の谷」から「恍惚の峰」へ ~その政策的応用
2.
相川啓太 次の満月の夜には
3.
佐藤実 ローンチ・フリー
4.
之人冗悟 OV元年
5.
八島游舷 Final Anchors
6.
梅津高重 SING×(シンクロ)レインボー
7.
白川小六 森で
8.
村上岳 繭子
9.
関元聡 リンネウス
10.
関元聡 楕円軌道の精霊たち
11.
柚木理佐 冬の果実
この本を通じて、理系的な視野の面白さや深さに触れてみてはいかがでしょうか。日経「星新一賞」が持つ革新性を体感できる作品が待っています。どうぞお楽しみください!
書籍データ
- - タイトル: 『星に届ける物語日経「星新一賞」受賞作品集』
- - 著者名: 藤崎慎吾、相川啓太、佐藤実、之人冗悟、八島游舷、梅津高重、白川小六、村上岳、関元聡、柚木理佐
- - 発売日: 2025年2月28日
- - 定価: 693円(税込)
- - ISBN: 978-4-10-105861-0
- - URL: 新潮社の公式サイト