医療AIを守る新技術、ZenmuTechの挑戦
株式会社ZenmuTechが、医療AIプラットフォーム技術研究組合(通称HAIP)に加わりました。これにより、ZenmuTechは「秘密分散技術」を医療AIの分野に活用し、データ保護の強化と医療サービスの向上を目指します。この技術は、データを意義を持たない複数の分散片に分散させ、それぞれを異なる環境で管理することにより、安全性を高めるものです。
HAIPの使命
HAIPは、医療AIプラットフォームの社会への実装を促進することを目指しており、そのために医療の質を向上させつつ、医療従事者の負担を軽減するという目標があります。また、医療分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を追求し、Society 5.0を進めるための基盤技術を研究開発しています。
具体的には、HAIPは内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムのもとで高度診断・治療システムを生み出した技術研究組合で、医療AIサービスの普及を目指しています。ZenmuTechの参加により、新たなデータ保護技術が医療AIの発展に寄与することが期待されています。
ZenmuTechと秘密分散技術
ZenmuTechは、2014年に設立された企業で、東京都中央区に本社を構えています。同社の代表取締役社長である田口善一氏は、医療AIの進化に「秘密分散技術」を活用することで、データのセキュリティを強化し、より安全で高精度な医療を実現しようとしています。この技術を利用することで、画像や生体情報、病理・生化学検査など多様なデータの獲得・統合が可能となり、AIによるデータ解析を通じて診断の精度が向上することが見込まれています。
ZenmuTechの提供する「ZENMU Engine」や「ZENMU Virtual Drive」は、企業の情報漏洩を防ぐための重要なツールとなっています。それに加えて、産業技術総合研究所との協働により開発された秘密計算データベースプラットフォーム「Query Ahead」も社会実装に向けて進んでいます。
未来への期待
医療AIプラットフォーム技術研究組合(HAIP)が目指すのは、産業全体の利益につながる共通の基盤技術の研究開発です。ZenmuTechが参画することで、利用者視点の新しい医療AIサービスの開発が進み、医療従事者による業務負担の軽減や、患者に対してより良い医療情報を提供することが実現されるでしょう。
このコラボレーションを通じて、医療分野におけるDXの実現が加速し、社会全体の医療サービスの質の飛躍的な向上が期待されています。また、「医療分野におけるSociety 5.0の実現」にも大きく貢献することが見込まれています。
最後に
ZenmuTechとHAIPの活動からは、今後の医療AIにおける変革の兆しが伺えます。この新しい技術と取り組みが、未来の医療にどのように影響を与えるのか、引き続き注視していきたいと思います。