熊本史雄教授が樫山純三賞を受賞!
駒澤大学の熊本史雄教授が著した書籍『外務官僚たちの大東亜共栄圏』が樫山純三賞を受賞したという朗報が舞い込んできました。この賞は、樫山純三氏が設立した樫山奨学財団が現代アジアに関する独創的かつ優れた文献の著者に贈るものです。本書の受賞は、国内外の歴史研究界でも大きな注目を集めています。
書籍の概要
『外務官僚たちの大東亜共栄圏』は、日露戦争後の日本外交における誤算や失敗を描き出した歴史研究の一環です。特に、外務省が追求した国益の維持に向けた様々な策がどのようにして無謀な構想を生み出したのか、膨大な外交史料を基に論じています。
本書は、発売以来メディアで度々取り上げられ、現在も三刷目に突入している人気作品です。その内容は、開戦責任という新たなテーマにも光を当てる刺激的なものであり、戦後80年を迎えるこの節目の年に、過去の失敗を冷静に振り返るきっかけを提供しています。
目次紹介
- - 序章: 拡大する権益、継承される思想
- - 第1章: 「満蒙」概念の誕生
- - 第2章: 「満蒙供出」論の提案
- - 第3章: 「満鉄中心主義」の前景化
- - 第4章: 「精神的帝国主義」論の提唱
- - 第5章: 「東亜」概念の衝撃
- - 第6章: 「興亜」概念の受容
- - 第7章: 「東亜新秩序」の可能性
- - 第8章: 「大東亜共栄圏」構想の実相
- - 第9章: 「大東亜共同宣言」の虚実
- - 終章: 求められる「慎慮」、問われる「外交感覚」
著者の言葉
熊本教授は、本書の主眼について説明し、外務官僚たちによる思想の継承が直線的でなく、紆余曲折を経て「大東亜共栄圏」に至った過程を詳細に描いたことに意義を見出しています。彼は、現代社会における大国のエゴイズムとナショナリズムの問題が、本書のテーマと交差していると述べています。受賞は今後の励みになるとし、さらなる研究活動への意欲を示しています。
過去の樫山純三賞受賞作
樫山純三賞の歴史は新しく、過去に受賞した作品には、さまざまな重要テーマを扱ったものがあります。多様なジャンルの本が精選されてきましたが、熊本教授の作品はその中でも特に独創的です。
書籍の詳細
- - タイトル: 外務官僚たちの大東亜共栄圏
- - 著者名: 熊本史雄
- - 発売日: 2025年5月21日
- - 定価: 1,980円(税込)
- - ISBN: 978-4-10-603926-3
本書は、外交や歴史が絡む複雑なテーマを扱っているため、専門知識がなくても興味を持って楽しめる内容となっています。これからのさらなる展開が期待される著作です。