北海道大学生が因果AIで「地元就職」の真因を探求した取り組み
株式会社hootfolioが日本電気株式会社(NEC)と共同で実施した教育プログラムは、北海道大学の学生が因果AI「causal analysis®」を用いて地域の就職問題にアプローチしました。このプロジェクトは、学生たちが地域企業、自治体と連携し、地元での就職を促進する施策を分析データから導き出すことを目的としています。
背景:地域社会が抱える深刻な課題
北海道を含む多くの地域は、人口減少と若者の都市部への流出という重大な問題に直面しています。こうした地域課題に対して、経験や直感に頼るのではなく、データに基づいた意思決定の重要性が増しています。特に、因果分析を通じて「何が結果を生むのか」を明確に理解することが、政策の効果を高めるうえで必要となります。
因果AI「causal analysis®」の活用
「causal analysis®」は、専門的な知識がなくてもデータに隠れた因果関係を可視化するノーコード型のソリューションです。このプログラムでは、北海道大学の学生が実際の調査データを基に、地域の魅力や就職意向に影響を与える要因について分析する機会を得ました。
PBLの実施概要
この取り組みでは、学生たちがグループで活動し、北海道の魅力や、企業への就職意向をテーマにした分析を行いました。具体的には、以下の内容を学びました:
1. 因果分析の基本:相関と因果の違いや、社会課題への応用方法。
2. 実データを使った因果分析:北海道の魅力や就職意向に関わる要因を探る。
3. 施策提案:分析結果を基に自治体や企業向けの具体的施策を考える。
学生による分析の結果
データ分析の結果、北海道での就職意向を最も強く後押しする要因は「転勤のない職場」であることが明らかになりました。それに対して「都心部へのアクセスの良さ」や「大手企業であること」などは、必ずしも就職意向を高める要因ではないという結果になりました。さらに、出身地によっても重視するポイントが異なり、地方からの学生は「通勤の利便性」を重視し、札幌市出身の学生は「ワークライフバランス」を重視する傾向があることが分かりました。
提案された施策
学生たちは、分析結果に基づいて以下の施策を提案しました:
1.
転勤なし・ワークライフバランスを可視化する認定制度:転勤のない企業や残業・有給取得率を満たした企業を認定する制度を提案し、学生が安心して企業選びを行える環境を作る。
2.
出身地別の魅力発信:出身地に応じた情報発信の戦略を提案。道内の学生には生活利便性を、札幌出身の学生には都市機能や生活の質を、道外出身者には自然環境やSDGsへの取り組みを訴求することが効果的と考えられました。
教育的な意義
この取り組みの大きな特徴は、学生が自身の地域に関連するデータを分析し、仮説検証と施策設計を通じて実践的な問題解決能力を養った点です。自らの将来に関わるテーマでの分析活動は、学生たちに強い当事者意識を植え付け、データに基づく意思決定の力を育む良い機会となりました。
まとめ
このプログラムは、因果AIを用いたデータ分析が地域課題解決に如何に貢献できるかを示す素晴らしい例です。北海道の学生たちは、自らの未来を築くために必要な知識とスキルを身につけることで、地域社会にも貢献できる可能性を持っていることが明らかになりました。今後、彼らの提案が地域企業や自治体にどのように生かされるのか、注目が集まります。