AIカメラシステムの登場
東京都中野区に本社を置く株式会社モレーンコーポレーションが発表したAIカメラシステムは、院内感染を予防するための革新的な技術です。手指衛生において重要な「5つの瞬間」を自動で検知し、直接観察のプロセスを全自動化することを目指しています。このシステムは、先日の第40回日本環境感染学会総会で初めてお披露目され、現在特許出願中ということでも注目を集めています。
手指衛生の重要性
院内感染のリスクが高まる中、手指衛生は医療現場において必要不可欠です。世界保健機関(WHO)は、医療従事者が適切なタイミングで手指衛生を行うことを推奨しており、その実施を評価する「直接観察」は重要な指標とされています。しかし、従来の観察方法は観察者の主観に左右されるため、正確な評価が難しかったのが現実です。
AIカメラシステムの仕組み
モレーンが開発したAIカメラシステムは、モバイルカメラを活用し、医療現場における手指衛生の実施を正確に記録し分析します。このシステムは、ただ手指衛生を行ったかどうかだけでなく、手洗い前後の医療機器や物品への接触も検知できます。これにより、患者と医療従事者の行動を明確に区別することが可能です。この機能は、感染対策の向上に寄与するでしょう。
手袋の着脱も確認
また、AIモバイルカメラは、手袋の着用や着脱のタイミングも確認できます。これはWHOの「5つの瞬間」における重要な要素であり、観察者の負担を軽減しつつ、確実に手指衛生が守られているかをチェックできます。
自動化による業務改善
このシステムは、従来の手動観察に比べて、高い精度でデータを収集し、フィードバックを行います。人間の判断によるばらつきが減ることで、データの信頼性が向上します。さらに、夜間や早朝など、時間に関わらず観察ができるため、病院の業務効率を大幅に改善することが期待されます。
患者のプライバシーを守る
撮影された映像はクラウドで管理され、患者のプライバシー保護のためにモザイク処理が施されます。開発者やシステム管理者であっても、個別の患者を特定することはできないため、安心して使用することができます。カーテンで仕切られた状態でも直接観察が可能ので、プライバシーを尊重した上での観察が実現します。
今後の展望
モレーンコーポレーションは、これまでにも幅広い感染対策製品の提供を行ってきました。新しく導入されたAIカメラシステムは、医療従事者の負担を軽減しつつ、手指衛生の遵守率を向上させ、院内感染のリスクを低下させる重要な役割を果たすでしょう。今後も、モレーンは医療現場のニーズに応じたサービスを提供し続ける意向を示しています。
会社概要
gモレーンコーポレーションは、1993年に設立された感染対策に特化した企業です。全国の感染症指定医療機関との取引経験があり、業界内での信頼性を確立しています。今後も、感染対策製品の提供に力を入れ、医療従事者や患者の安全を守り続けることでしょう。