WorkdayがAIセンター・オブ・エクセレンスをダブリンに設立
米国の企業であるWorkdayが、ダブリンに新たなAIセンター・オブ・エクセレンス(CoE)を設立するため、1億7,500万ユーロの投資を行うことを発表しました。この投資は、3年間にわたり進められる予定で、約200名の専門職を新たに採用する計画です。この取り組みは、アイルランド政府産業開発庁の支援を受けており、WorkdayのEMEA(欧州・中東・アフリカ)本社の役割を強化することを目的としています。
ダブリンでの新たな取り組みは、2008年から始まったAIを活用した「Workday Learning」や「Workday Assistant」などの革新をさらに推進するものです。現在、ダブリンには約2,200名のチームが勤務しており、その約80%が製品の研究開発に従事しています。
4つの主要な注力分野
このAIセンター・オブ・エクセレンスは主に以下の4つの分野に焦点を当てます。
1. 製品開発
ダブリンでは、200名以上の新規採用を通じて、AIやサイバーセキュリティ、エンジニアリング、研究といった専門知識を「Workday Illuminate」に反映させる取り組みが始まります。
2. AIスキルの向上
WorkdayはTechnology Ireland Digital Skillnetとの連携により、現従業員向けにAIスキル向上プログラムを提供します。これまでに285名以上の従業員が機械学習やサイバーセキュリティに関する認定を取得しました。
3. AI学術フェローシップ
Workdayの「Industry Fellowships」プログラムにより、ダブリンの大学と連携し博士研究員をR&Dチームに配属して、実際のAIの課題に取り組んでもらいます。
4. テック系スタートアップとの連携
Workday Innovation Networkを通じて、アイルランドのAIスタートアップや中小企業と連携し、イノベーションを促進します。
地元政府からの支持
この新たな投資を歓迎しているのはアイルランドの企業・観光・雇用担当大臣、Peter Burke氏です。彼は「WorkdayのダブリンでのAI事業拡大は、アイルランドがテクノロジーのリーダーであることを示しています」とコメントしています。
新オフィスの設立
また、Workdayはダブリンのビジネスエリアであるダブリン2区のCollege Squareに新しいEMEA本社を開設する計画も発表しました。この本社には、顧客がWorkdayの専門家と協力できるカスタマーエクスペリエンスセンター(CXC)も設けられる予定です。
結論
今後3年間でのこの大規模な投資は、アイルランドにおけるAI研究開発の地位をさらに強固にすることが期待されています。Workdayの新たな試みが、地域と世界にどのような影響を与えるか注目されます。