日本インフラ計測株式会社が新たな一歩
日本のインフラ関連の企業、
日本インフラ計測株式会社は、AI音響解析サービスの提供を通じて、下水道の管理を革新しています。この度、同社は米国ワシントン州に本社を構える
マイクロソフトのスタートアッププログラムに採択され、事業のさらなる飛躍を見込んでいます。
Microsoft for Startups とは?
Microsoft for Startupsは、イノベーティブなテクニカルソリューションを持つBtoBスタートアップ向けに設計された支援プログラムです。すでに140以上の国で展開されており、プログラムに参加すると、Azureをはじめとする先進技術の支援が受けられます。このプログラムを通じて、グローバルな専用リソースも提供され、企業の成長をサポートします。
AI音響解析サービスについて
日本インフラ計測が提供するAI音響解析サービスは、昨年から始まりました。この技術は、雨天時に下水道に流入する雨水の検知に特化しています。これは、ひび割れた下水道から流入する水が年間約104億円の自治体の負担となるための対応策でもあります。しかし、雨水は処理費用を県内の料金として徴収できないため、この課題に対する対応が求められていました。
この解析サービスの中核をなすのは、産業技術総合研究所の
叶嘉星主任研究員によって開発されたAI音響解析プログラムです。このプログラムは、(株)建設技術研究所と共同で出願した特許とも結びついており、技術的な基盤がしっかりとしています。
また、AI音響解析は国土交通省がガイドライン化した「AIによる音響データを用いた雨天時浸入水検知技術導入ガイドライン」にも期待されており、今後の更なる応用が進むことが見込まれています。
課題と解決策
このAI音響解析サービスの運用には技術的なチャレンジがあり、1自治体あたりのAIによる計算負荷が非常に高くなることが課題でした。特に、雨季には計算需要が集中し、処理に約2日もかかることがあります。このような負担を軽減するために、
Azureの活用が重要になります。
データの保存先に対する顧客のニーズも考慮しながら、同社はマイクロソフトの技術を最大限に活用していく方針です。これにより、日本国内でのデータ管理や、クリアな解析サービスの提供が可能となります。
企業情報と今後の展望
日本インフラ計測株式会社は、東京都豊島区に本社を構え、産総研技術移転ベンチャーとして設立されました。主な業務には、AI音響解析サービスのほか、新幹線や高速道路の橋梁の計測を行うモアレ計測事業も含まれています。これにより、インフラの安全性と効率性の向上を目指しています。
基本情報
- - 所在地:東京都豊島区東池袋1-34-5 いちご東池袋ビル6階
- - 代表取締役社長:樋口哲也
- - 資本金:3700万4千円
- - 設立:2015年9月28日
- - 公式サイト:https://jinf.co.jp
今後も引き続き、AI技術を活用してインフラ管理の未来を切り拓く日本インフラ計測の動向に注目していきたいと思います。