お盆玉の認知度と実施率
お盆の時期、祖父母や親戚が子どもにお小遣いを渡す「お盆玉」は、近年注目を集めています。この風習は一見新しいもののように感じられますが、実際には江戸時代にまでさかのぼる歴史があります。それにもかかわらず、現代においてどの程度浸透しているのか、その実態は気になるところです。
フタバ株式会社が実施した調査によると、200名を対象に「お盆玉」の認知度や実施率が明らかになりました。まず、「お盆玉」という言葉を知っている人は全体の39.5%にとどまり、過半数は認知していないという結果が出ました。このように、長い歴史を持つ風習でありながら、名称自体の浸透度はまだまだ限定的であることが分かります。
さらに、「お盆玉をあげたことがあるか?」という質問に対しては、実施率はわずか16.5%。実際にお盆玉を渡す家庭は多くないというのが現状です。これからの定着が期待されますが、まだ道半ばと言えるでしょう。
お盆玉をあげる理由
調査には「お盆玉」実施者と未実施者の経験や理由も掘り下げた内容が含まれていました。お盆玉をあげた経験のある方々には、様々な理由が存在します。
- - 「帰省時の交流」を重視している
- - 「親からの習慣を引き継いでいる」
ある30代の女性は、「遠方にいる子どもに直接お小遣いを渡す貴重な機会だから」と、また40代の女性は「お盆は家族が集まる特別な時期なので、心を込めて渡す」といったコメントを寄せています。つまり、お盆玉は単なる金銭のやりとりではなく、家族のつながりを表現する方法でもあるのです。
あげない理由
一方で、「お盆玉をあげない」という意見も多く寄せられました。その理由としては、「出費がかさむ」「習慣がない」など、現実的な事情が挙げられました。30代の女性の中には、「お年玉だけで十分」と主張する方もおり、そもそも「お盆玉」を知らないという声も少なくありませんでした。また、風習が家庭や地域によって異なることも一因と言えます。
お盆玉の相手と予算
お盆玉を渡す相手については、最も多いのが「親戚の子ども」であり、約75%を占めています。次いで、自分の子どもや友達の子どもへ渡すケースも見られました。このことから、親族間での交流を重視していることがわかります。
お盆玉の金額の相場も興味深く、1000〜5000円が中心で、多くの家庭では手軽なお金を渡す形になっています。
受け取ったことがあるか?
では、受け取ったことがある人はどうかというと、なんと17.0%にとどまり、受け取った経験がある人は非常に少数派です。このように、お盆玉の文化が広まりきれていない現状を浮き彫りにしています。
お盆の過ごし方
お盆玉以外に、家族での時間を大切にするためにどんなことをしているのかを尋ねたところ、いくつかの工夫が寄せられました。一緒に買い物をする、川遊びをする、家庭用プールを設置する、など、普段できないことにチャレンジして思い出を作るという声が多かったです。
結論
お盆玉は、家族や親戚との絆を深める手段として徐々に広がりを見せていますが、実際にはまだ少数の家庭に留まっています。金銭のやり取りだけでなく、それに込められた感情や思い出づくりが、多くの家庭にとって重要な要素です。
心をこめたプレゼントで喜んでもらうために、贈り物にこだわりを持ち、特にぽち袋などにも気を配っていくことが今後の「お盆玉」の文化を育てていくのかもしれません。