新卒採用の未来を見据えたジョブズ フォーラムの開催レポート
2023年6月24日、東京都渋谷区に本社を構えるgoodluck株式会社が主催する、新卒未来フォーラム「ジョブズ」が行われました。このイベントでは、「これからの時代にあるべき就活の基準とは?」というテーマのもと、新卒採用に関する様々な課題が採用責任者たちによって議論されました。
ジョブズとは何か?
ジョブズは、新卒採用および就職活動のあり方を探求するために設立されたフォーラムです。このイベントは毎月定期的に開催され、業界のキーパーソンが集まり、実際の現場での意見や見解を交えながら、新卒採用における現状の課題について議論を重ねています。特に、この分野には決定的な解答が存在しないため、参加者は独自の視点で問題解決を図る機会を得ています。
議論の焦点
今回のフォーラムでは、いくつかの重要なテーマが取り上げられました。第一に、「学歴フィルター」の今後についての論争です。一部の参加者は、ジョブ型採用の浸透に伴い学歴フィルターが薄れる現象が見られるとの意見を表明しました。一方で、やはりその影響は依然として残るとの意見もあり、両方の立場からの意見交換が行われました。学歴を単なるフィルターとして捉えるのではなく、個々の経験として評価していくべきという意見も印象的でした。
次に、学歴に代わる新しい評価基準の機能についても語られました。企業が多様な評価基準を設定し、それを機能させるためには、実際には多くの課題があるとの指摘がありました。特に、新卒採用に必要なペルソナ設定や面接官のトレーニングの不足が問題視されました。
また、スキル評価やミスマッチの防止に役立つとされるインターン経験についても言及されました。具体的には、将来の採用基準には「スキルファースト」や「結果より過程の行動特性」など、個々の価値観が反映された様々な基準の重要性が浮き彫りにされました。自社にフィットする人材を集める一方で、同質化を避け、変革を促すような人材の受け入れについても議論が進みました。
永島氏の発言と企業の変革
トイトイ合同会社の永島氏は、「学歴フィルター」という言葉の廃止を提案し、短期間で多くの応募者を処理する際に生じるフィルタリングの危険性を指摘しました。採用担当者は優秀な人材を見極めることが求められ、今後、自社の基準を明確にし、求める人材を精緻に設定することが今の状況では必要不可欠であるという考えを表明しました。さらに、APDXや配属ガチャの問題も提起され、企業側の柔軟な対応が求められる時代に突入しています。
AIと新卒採用の未来
AIの活用も議論の一環となり、ここ数年で採用活動におけるAIの登場が注目を集めています。実際にアメリカではAIが効果的に人材マッチングに活用されている事例が増えてきており、日本でもその流れが拡大することが期待されています。AIを通じて採用の効率化が進むことで、学生との対話により多くの時間を割くことができ、より深い理解と本質的な採用活動に繋がる可能性があるとの意見が出ました。
高村代表のコメント
イベントの主催者であるgoodluck株式会社の高村代表は、「ジョブズ」を通じて新卒採用に関する意見を多角的に収集し、企業と学生の双方に有益な採用環境を構築する目指し、今後の活動を展開する意向を示しました。特に、「学生の価値を高めること」と「企業が求める職務を明確にすること」が今後の採用活動において重要になるとの見解を示しました。
次回のイベントについて
次回のジョブズフォーラムは、2023年7月25日(金)に開催予定です。今回のテーマは「配属ガチャをなくすために企業ができる工夫」として、さらなる議論が深められることを期待しています。今回の参加者は、その議論の場へと再び集うことを楽しみにしています。
このように、ジョブズは新卒採用の現状を見つめ直し、さらなる進化を求めるための重要なプラットフォームとなっています。今後の議論によって、より良い未来の就職活動が実現することを願っています。