サントリー文化財団、2024年度研究助成を発表!
公益財団法人サントリー文化財団(理事長:鳥井信吾)は、2024年度の研究助成プログラム「学問の未来を拓く」を発表しました。このプログラムにおいては、応募総数522件の中から、30件が助成対象として選ばれました。助成総額は3,000万円に上り、今後の研究成果が期待されています。
本助成プログラムの特徴は、人文学や社会科学の分野において、従来の「研究」や「学問」という枠組みを問い直すような新しい視点を持つグループ研究に助成を行う点です。例えば、観光振興を目的とする都市開発が地域住民に与える影響を探る研究「ツーリズムジェントリフィケーションによる居場所の立ち退きについて」では、代表として芸術文化観光専門職大学の准教授、池田千恵子氏が示す研究が注目を集めています。
この研究は、観光発展が地域に与える正負の影響を考察し、立ち退きを余儀なくされる住民や商店の視点から、その背景にある文化や経済の複雑さに迫る内容となっています。観光振興を目指す都市開発が地域の居住環境にどのように影響を与えるかを深堀し、学問の新たな知見を提供することを目指しているのです。
また、「人類史におけるモニュメント・都市・貨幣の脱権力化:国家に抗する社会をめぐる人文科学知の総合に向けて」というプロジェクトも選定されました。こちらの研究では、神殿や古墳、都市、貨幣などの大型モニュメントが持つ権力の象徴性を、宗教学や人類学、考古学などの多様な視点から再考察する試みが展開されます。代表者の京都大学大学院の小茄子川歩准教授は、従来の常識に捉われず、権力に関する新たな理解を促す内容を目指しています。
このように、サントリー文化財団の助成プログラムはただ資金を提供するだけでなく、知的冒険を伴う新しい研究の可能性を切り開くことを目的としています。助成の選考委員には、国際日本文化研究センターの荒木浩教授、東京大学の遠藤乾教授、隠岐さや香教授、大阪公立大学の酒井隆史教授など、各分野の名だたる研究者たちが名を連ねており、その厳しい選考を経ての採択となりました。
サントリー文化財団は1979年の設立以来、人文学、社会科学の研究活動を支援しており、現在は「学問の未来を拓く」グループ研究助成と「若手研究者のためのチャレンジ研究助成」という2つのプログラムを展開しています。これまでの研究成果は、多くの論文発表や図書出版に至り、国内外に広く発信されています。
助成先の詳細やお問い合わせについては、サントリー文化財団の公式ホームページにて確認可能です。興味のある方はぜひ訪れてみてください。
お問い合わせ先
公益財団法人サントリー文化財団 研究助成係
電話:06-6342-6221
ファックス:06-6342-6220
公式ウェブサイト:
サントリー文化財団