日本の住宅問題、特に税負担が深刻な課題として浮上

日本の住宅問題と税負担

調査概要

イプソス株式会社が発表した「イプソス住宅モニター2025」によると、日本の住宅に関する意識や希望に関連する調査結果が明らかになりました。これは、世界30か国から約22,279人を対象に実施されたもので、日本人に特化した約1,000人のデータも含まれています。

日本の税負担が最大の問題

調査結果によれば、日本において最も深刻な住宅関連の問題として「税金が高すぎる」と回答した人の割合は52%に達し、これは調査対象30カ国の平均である28%を大きく上回る数値です。特に日本以外の多くの国では、不動産価格や賃貸料の高さを問題として挙げる傾向がありますが、日本の場合は税負担の重さが際立っています。この結果から、今後の住宅政策において税制の見直しが急務であることが明確です。

世代間の認識の違い

さらに興味深いことに、世代別に分析すると、ベビーブーマー世代を除く全ての世代が「税金が高すぎる」を住宅関連の最大の課題として挙げているのに対し、ベビーブーマーのみが「住宅建設費が高騰している」と回答しています。特にミレニアル世代では、税金の高負担を感じている人が59.4%と最多となり、世代間の意識の違いが浮かび上がりました。この傾向は今後の住宅市場にも影響を与える可能性があります。

マイホーム希望者の減少

また、調査では「マイホームを持ちたい」と考える日本人の割合が42%と、30カ国中で最下位であることが判明しました。さらに「今後、家を買う余裕ができるとは思えない」と感じている人の割合は68%に達し、なかなか厳しい現実が示されています。特に、経済的な理由からマイホームの取得を諦めている人が多いことが裏付けられています。

賃貸派の声

イプソスオンラインコミュニティでは、調査結果に基づく意見が寄せられました。例えば、30代の男性は「賃貸派で好きなところに住みたい」と語っており、将来的にはマンション購入を検討している10代の女性は、「老後も家賃を払い続けるのが不安」と述べています。50代の女性は、郊外に戸建てを購入したものの、固定資産税やメンテナンス費用について悩みながらも、資産形成を重視しています。

住宅政策への期待

イプソス株式会社の代表取締役、内田俊一は、今回の結果を受けて「税負担の問題は日本の住宅事情において深刻な課題である」と述べています。様々な税金が住宅保有時に課せられる中で、税金に関する政策の見直しが強く求められています。持ち家を持つことへの価値観も多様化しており、希望を実現しやすくなる政策が求められています。今後も住宅に関する意識や市場の変化を調査し、その結果を発信していく予定です。