国土交通省が新たに導入するAIエージェント「AIさくらさん」
国土交通省は、全国38箇所の運輸支局および自動車検査登録事務所で、AIエージェント「AIさくらさん」を導入し、プログラムの本運用を2025年2月下旬から順次開始することを発表しました。このプロジェクトは、株式会社ティファナ・ドットコムが提供しており、2023年に行われた実証実験の結果を受けたことから、窓口業務の効率化と来訪者の利便性を向上させることが目的です。
この実証実験では、全国の10箇所の運輸支局等でAIさくらさんが導入され、多くの利用者からの好評を得ました。特に、記入方法や提出先に関する質問が職員の負担を増大させていた中で、AIさくらさんの導入によるリアルタイムの案内は、その業務負担を軽減し、来訪者のスムーズな手続きを支援する役割を果たしています。
窓口業務の課題とDX化の必要性
運輸支局では、車両の名義変更や譲渡手続きなどが集中するため、待ち時間が長くなる問題が常にありました。特に、事務手続きに関する具体的な質問が多く、職員の業務処理能力を圧迫していました。そこでDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入が求められていました。
AIエージェントである「AIさくらさん」を導入することで、窓口に来た人々は直接職員に問い合わせることなく、必要な情報を取得できるようになります。これにより、職員は手続きの処理に専念でき、業務効率が大幅に向上します。
AIさくらさんの機能と利用方法
「AIさくらさん」は、利用者の質問に対してリアルタイムで案内を行うAIエージェントです。申請書類の記入方法や、どこに提出するかなどの情報を即座に提供します。また、必要な「住所コード」や「所有者コード」といった検索もこのAIで行えるため、利用者は館内にある冊子を探して時間を無駄にする必要がなくなります。
このシステムは、職員の時間を有効に使うための革新的な手法であり、単純な案内だけでなく、窓口業務全体の効率化にも寄与することが期待されています。
全国の設置予定場所
AIさくらさんは、全国の特定の運輸支局および検査登録事務所に設置される予定です。各地域の運輸局内の具体的な設置施設は以下の通りです:
- - 東北運輸局:八戸自動車検査登録事務所
- - 北陸信越運輸局:長野運輸支局、石川運輸支局、長岡自動車検査登録事務所
- - 関東運輸局:東京運輸支局、練馬自動車検査登録事務所など多数
- - 中部運輸局:小牧自動車検査登録事務所、浜松自動車検査登録事務所など
- - 近畿運輸局:大阪運輸支局、京都運輸支局など
- - 四国運輸局:愛媛運輸支局、高知運輸支局
- - 中国運輸局:広島運輸支局など
- - 沖縄総合事務局:沖縄総合事務局陸運事務所
利用者のフィードバックと今後の展開
2023年に行われた実証実験によると、AIさくらさんは15,000件以上の問い合わせに対応し、全体の満足度は86.4%と高い評価を受けています。これらのデータをもとに、今後もさらなる精度向上を目指し、より高度な対話機能を追加するほか、関連サービスを拡充していく考えです。
国土交通省とティファナ・ドットコムは、この取り組みを通じて未来の窓口サービスをリードし、全国の公共機関におけるデジタル改革の一例としての地位を確立していくことを目指しています。AIさくらさんは、「あなたの隣にAIさくらさん。仕事も幸せも、一緒に。」のコンセプトのもと、利用者とともに新たな未来の窓口サービスを提供し続けます。
会社紹介:ティファナ・ドットコム
株式会社ティファナ・ドットコムは、東京都目黒区に本社を置き、「WebとAIの力で世の中を笑顔にする」という理念のもと、DX推進をサポートしています。2000年に設立され、Web制作を中心に様々な業種向けのサービスを展開。2016年にはAIさくらさんの開発にも着手し、今では多くの企業や自治体に導入されており、デジタル改革の一助となっています。2024年3月からはHEROZ株式会社のグループに加わり、さらなる発展を図る予定です。